住宅購入の費用・税金/住宅購入の税金

固定資産税と都市計画税のあらまし

住宅取得後にかかる費用として忘れてはならないのが固定資産税と都市計画税です。それぞれのあらましと、売買契約時における取り扱いについて基本的な内容を知っておきましょう。(2017年改訂版、初出:2002年9月)

執筆者:平野 雅之

【ガイドの不動産売買基礎講座 No.23】

住宅など不動産を購入して「土地・建物の所有者」になると、毎年きまって固定資産税と都市計画税の請求書が送られてくるようになります。

住宅を購入するときには住宅ローンの支払い額にばかり目がいきがちなものの、固定資産税や都市計画税も物件によってはかなりの高額になるため、予算を立てる際には十分に考慮しなければなりません。

今回は、固定資産税と都市計画税について基本的な内容を説明することにしましょう。なお、それぞれについて詳しくは ≪固定資産税と都市計画税の基礎知識≫ をご参照ください。


固定資産税と都市計画税の基本

固定資産税はそれぞれの市町村の固定資産課税台帳に登録された価格をもとにして毎年課税されます。一般には市町村税ですが、東京23区は例外的に都税となっています。

また、課税標準は台帳の価格そのものではなく、住宅用地の特例、新築住宅の軽減または減免、小規模非住宅用地の減免、その他の特例などにより、税負担額の軽減が図られています。

都市計画税は固定資産税と同様に、固定資産課税台帳に登録された価格をもとに毎年課税されますが、こちらは都市計画法による市街化区域にかぎり課税されます。また、固定資産税とは異なる特例などにより、こちらも軽減が図られています。


新築住宅の軽減措置

2018年3月31日までに新築された住宅で、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の場合には、新たに課税される年度から3年度分(3階建て以上のマンションなどは5年度分)の建物に対する固定資産税・都市計画税が軽減されます。

120平方メートルまでの居住用部分に対する税額が2分の1となりますが、店舗併用住宅などでは居住用部分の床面積が全体の2分の1以上でなければなりません。

マンションなど区分所有建物の場合には、専有部分の床面積に、建物共用部分の床面積を共有持分で按分して加えたものが50平方メートル以上280平方メートル以下であればこの軽減措置が適用されます。

なお、2018年4月以降に新築される住宅に対する軽減措置の有無(適用期限の延長)などについては、2018年度税制改正の内容をご確認ください。


固定資産税と都市計画税の税率

固定資産税の「標準税率」は1.4%、都市計画税の「制限税率」は0.3%となっており、それぞれ課税標準に税率をかけて税額が算出されます。

たとえば東京都の場合なら、固定資産税は一律1.4%ですが、都市計画税は区市町により異なっています。23区はすべて0.3%、市部では0.25%~0.27%程度のところが多いものの、武蔵野市、府中市、多摩市は0.2%です(2017年現在)。

ただし、もともとの固定資産課税台帳価格の実勢価格に対する割合が区市町により異なるため、武蔵野市などの税金が安いのだとは一概にいえません。


固定資産税と都市計画税の納税義務者は?

毎年1月1日時点で土地・建物の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人に対し、その年1年分の固定資産税・都市計画税が課税されます。仮に土地・建物を1月2日に売却して手放したとしても、それに対する税金はもとの所有者に対して請求されることになります。


売買契約時における、固定資産税・都市計画税の清算

1月1日時点の所有者が支払うべき税金ですが、不動産の売買取引では、通常は取引慣例として、引き渡し日を境に売主・買主間で日割りの清算をします。

この場合、日割りの起算日を1月1日にするときと、4月1日にするときがあるものの、清算の行為自体が法律には何ら定めのないことですから、どちらの起算日が正しいとはいえません。なお、近年は1月1日を起算日とする事例が多くなっているようです。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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