一戸建ての売却/一戸建ての売却に関する法制度・税制

マイホームの買換え特例

マイホームを売却してその代金で新たなマイホームを取得したときの「買換え特例」について、その概要と注意点のポイントをまとめました。(2014年改訂版、初出:2003年9月)

執筆者:平野 雅之


買換え特例について詳しくは
マイホームの売却と買換えの特例≫をご覧ください


【ガイドの不動産売買基礎講座 No.66】

マイホームを売却して利益が生じたときの特例には、3,000万円の特別控除の他に、「買換え特例」(特定の居住用財産の買換えの特例)があります。

この特例では、マイホームを売却した代金で別のマイホームを購入すれば、買換えに充てた分の金額については課税されない(譲渡がなかったものとみなされる)ことになっています。

つまり、売却した代金を全額まるまる次の購入に充てれば税金はゼロになり、売却代金の一部を手元に残せばその分にだけ課税されます。もっとも、それ以前に売却利益のあったことが条件となりますが……。


買換え特例の適用要件は?

平成27年12月31日までに売却をすること
自分が住んでいた家屋とその敷地を売却すること
住んでいない家の売却のときは、住まなくなってから3年目の年の12月31日までに売却すること
土地と家屋の所有期間が、売却した年の1月1日現在で10年を超えていること
その家屋への居住期間が10年を超えていること
3,000万円の特別控除など他の特例を受けないこと(選択適用)
売却した年の前年から翌年までの間に買換えるマイホームを取得すること
売却した年の翌年12月31日までに買換え先での居住を開始すること(売却した年の翌年に購入した場合は、居住開始期限が1年延長されます)
買換える建物の登記簿上の床面積が50平方メートル以上であること、およびその敷地は500平方メートル以下であること
買換える建物が中古マンションなど(耐火建築物)の場合は、建築後25年以内であること
  ※ 一戸建て住宅など木造住宅に関する築年数の規定はありませんが、木造では建て替えられるケースが多いことを想定しているものと思われます。
ただし、一定の要件を備えた耐震基準適合証明書、住宅性能評価書の写し、または既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の締結を証する書類により、耐震性を有することが証明されたものについては築年数を問わない
売却した相手先が、配偶者・親子・生計を一にする親族などではないこと
従前のマイホームを売却した金額が、平成22年1月1日以降は2億円以下、平成24年1月1日以降は1億5千万円以下、平成26年1月1日以降は1億円以下であること

買換え特例の適用を受けるためには、所定の書類を揃えて確定申告をしなければなりません。このとき、売却した金額よりも少ない金額で買換えたときは、その差額を収入金額として譲渡所得の計算をすることになります。

また、買換えが売却の翌年になるときには、確定申告書類に併せて買換えの承認を受けるための申請書を提出することが必要です。

なお、この特例は課税が免除になるのではなく将来に繰り延べられるものであることに注意しなければなりません。

買換えたマイホームを将来に売却したときには、以前のマイホームの取得金額を引き継ぎ、その取得金額と将来の売却金額との差額(売却経費などを控除した残り分)について課税されることになります。

ちなみに、以前は通常の買換え特例と別途に「相続したマイホームを買換えた場合の特例」が設けられていましたが、平成19年3月31日までの譲渡をもって廃止されています。


関連記事

不動産売買お役立ち記事 INDEX
ガイドの不動産売買基礎講座 INDEX

マイホームを売却したときの税金の基礎知識
マイホームの売却と買換えの特例
マイホームの売却と3,000万円の特別控除

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます