不動産売買の法制度

更新日:2005年05月13日

環境良好の工業地域に建つ一戸建

工場跡地の再開発などにより、「準工業地域」や「工業地域」で分譲される物件も多くなってきましたが、どのような点に気をつけなければならないのでしょうか?


環境重視で住宅を選ぶなら、一般的には 「第一種低層住居専用地域」 で考えたいところですが、他の用途地域でも環境の優れた住宅地があるようですね。



question
一戸建住宅を探しています。不動産会社の人から新築建売物件や中古物件をいくつか紹介されるうち、自分たちの希望する大きさで、予算にも合いそうなものが見つかりました。その物件は、用途地域が 「工業地域」 になっていたのですが、目の前が公園になっており、近くの広い通りには桜の並木もあって、ちょうど今の季節はとても綺麗です。物件の回りに大きな工場などはないようでしたが、気をつけなければいけないことは何かありますか?
(千葉県 近藤さん 30代 女性)



answer
用途地域の種類についてはよくご存知のかたも多いと思いますが、次の12種類に分類のうえ、それぞれ建築できる建物の用途、建築できない建物の用途が規定されています。

街なみ
用途地域の種類にかかわらず、街なみや環境の整備が行なわれる例が多くなってきた。
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域

これらの用途地域のなかで、一戸建住宅やマンションなどを建てることができないのは工業専用地域のみであり、他の用途地域であれば基本的にどこでも住宅を建てることが可能です。また、一般的に住環境は第一種低層住居専用地域が最も優れていて、住環境を重視するのなら住居系用途地域、利便性を重視するのなら商業系用途地域とされています。準工業地域と工業地域では、住環境も利便性も劣るものだと考えるのが普通でしょう。

以前から都市部の市街地には、準工業地域に指定されたエリアにひろがる住宅地も多かったのですが、近年における企業のリストラなどに伴い、準工業地域ばかりでなく工業地域に立地する工場の跡地が、住宅地として開発されるケースも多くなってきました。このような敷地ではもともとの規模が大きく、マンションでも一戸建でもランドスケープデザインを重視した大掛かりな街づくりが行なわれることもあります。また、小~中規模の開発であっても、最近では環境面に配慮した住宅デザインが多くなっていますね。

そのため、街なみの整備などが進んでいない第一種低層住居専用地域の住宅地よりも、近年に開発された準工業地域や工業地域の住宅地のほうが住環境に優れているというケースも現れてきています。

住環境重視で物件探しをしている場合でも、十分に検討対象となり得る工業系用途地域内の物件もありますが、通常よりも慎重な下調べが必要となることもあるので注意が必要です。


工業系用途地域内の住宅を検討するときの注意点・・・次ページへ



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平野 雅之

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