住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅ローン控除を改めて確認しておこう! 2018年版(3ページ目)

住宅ローン控除の制度はほとんどの人にとって関心の高いものですが、その規定は意外と複雑になっています。住宅ローン控除の適用要件などを、改めてしっかりと確認しておきましょう。(2018年改訂版、初出:2005年10月)

執筆者:平野 雅之


住宅ローン控除の対象となる住宅ローンなどの要件

住宅を取得するための借入金ならば何でも住宅ローン控除の対象となるわけではなく、住宅ローンなどに関してもいくつかの要件を満たすことが必要です。

住宅の取得(購入・新築)や増改築のために、直接必要な借入金または債務であること
   
民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援機構、地方公共団体、公務員共済組合その他一定の団体、住宅資金の長期貸付業務を行なう貸金業者(法人)、または勤務先などから借り入れたもので、その返済期間が10年以上であること
  ※ 独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する10年以上の分割払い等による債務を含みますが、その支払い時期等が不定期なものなどは除かれます。
   
給与所得者が使用者(または事業主団体)から借り入れた資金(社内融資など)の場合は、その金利が年0.2%以上(2016年12月31日以前は年1.0%以上)であること
  ※ 役員などが会社から借り入れた資金は住宅ローン控除の対象外です。
   
給与所得者が使用者(または事業主団体)から「利子補給等」を受ける場合には、利子補給額等を控除した後の利息が実質的に年0.2%以上(2016年12月31日以前は年1.0%以上)であること
   
親戚などからの個人的な借入金ではないこと
   
中古住宅を取得した場合に、前の所有者から引き継いだ債務等ではないこと
  ※ 独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、日本勤労者住宅協会などからの特定の債務承継は除かれますが、この場合には残存期間が10年以上であることと、申告時には「債務の承継に関する契約書」の写しが必要となります。


敷地の取得費用も対象になる

住宅ローン控除の対象となる借入金の範囲に、以前は敷地部分の代金が含まれませんでしたが、1999年度の税制改正により1999年1月1日以降の取得に対しては、住宅の取得とともにする敷地(借地権などを含む)の取得費用(住宅ローンの借り入れにより支払ったものなど)も対象に加えられました。

この場合、敷地の代金そのものだけでなく、埋立て、土盛り、切土、地ならしなどの整地費用や造成費用、土地改良に要した費用などが含まれます。

また、中古住宅(古家付土地)などを取得して、その建物には居住しないままで取り壊し、その敷地に住宅を新築したような場合には、従前の家屋の取り壊し費用も含めることができます。


転勤などの場合の適用

従来も、いったん住宅ローン控除の適用を受けた後に転勤命令などのやむを得ない事情でその住宅に住まなくなった場合、それが解消して再入居すれば住宅ローン控除の再適用が認められました。しかし、これはあくまでも最初の年に住宅ローン控除の適用を受けたことが前提です。

しかし、2009年度の税制改正により、最初の年の12月31日以前に転勤命令などのやむを得ない事情でいったんは入居した住宅を離れ、住宅ローン控除の適用を一度も受けられなかった場合でも、その住宅に再入居すれば住宅ローン控除の適用が認められることとなりました。

ただし、この場合は最初の年に一度は入居したことを証する書類などが必要となります。2009年1月1日以降に転居した(取得した住宅から転出した)場合に適用されます。

さらに、2013年度の税制改正により、最初の年に転勤命令などのやむを得ない事情でいったんは入居した住宅を離れ、その年の12月31日までに再入居した場合において、入居初年から住宅ローン控除の適用が認められることとなりました。

これは従来、「12月31日まで継続して居住」の要件を満たさないものとして適用が除外されていたケースです。これは2013年1月1日以降に転居した(取得した住宅から転出した)場合に適用されます。


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page2 ≪住宅ローン控除の適用要件 その1
page3 ≪住宅ローン控除の適用要件 その2≫
page4 ≪住宅ローン控除の確定申告手続き

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