インテリアコーディネート/インテリアコーディネートの基本

インテリア色選びで失敗しないためのルール

あれれ、右と左では真ん中の色が違う!ホントは同じ色なのに。色には不思議な力があります。配色次第で違う色に見えることも。色の落とし穴に落ちないように、配色のルールを知っておきましょう。

執筆者:鈴木 理恵子

色彩計画のプロになるシリーズでは、色の特徴についてご紹介してきましたが、今回は、色の組み合わせ(配色)のときに覚えておくとよいルールについてお伝えしていきましょう。

同じ色なのに違う色?

買ってきたインテリアアイテムを部屋に置いたとき、「あれっ、ショップで見たときと色が違う!」と感じたことはありませんか。これは色の落とし穴。色は、単色の時と、複数の色を組み合わせた時では、色が違って見えることがあります。それは色同士が互いに影響しあうことが原因です。インテリアでは、カーテンやブラインド、ソファ、クッション、床や壁などに様々な色が使われ、また使う分量もまちまちです。色を単色で使うことはありません。ですから、インテリアを計画する際には、色同士の影響を考えながら色を選んでいきましょう。

明るさが違う!

配色によって、明るさ感が変わってきます。下図の中央のグレイを見比べてみてみましょう。どちらのグレイが明るく見えますか?

配色【ルール1】明度対比

左右とも同じグレイなのですが、黒を背景とした左のグレイのほうが明るく感じますね。これは明度の違う色同士では、明度の低い色は暗く、明度の高い色は明るく感じるためです。低明度の黒を背景とした中明度のグレイは、従来の色よりも明るく、高明度のグレイを背景とした場合には、暗く見えてきます。

配色
低明度の黒を背景としているので、赤のクッションが本来の明るさよりも明るく見えます。
例えば、ダークカラーのソファにクッションを置くのであれば、そのソファよりも少し明るめのクッションを置くと明るく引き立って見えてきます。

【ルール1】明度対比→明るさの違う色同士の配色は、明るい色はより明るく見え、暗い色はより暗く見える。

色が変わる!

配色によって、色味が変わって見えることがあります。下図中央の紫を見比べてみましょう。同じ色に見えますか?

配色【ルール2】色相対比

配色
色相環。青を背景とした紫は、青と反対方向の赤の色味が増して見えてきます。(画像:タチカワブラインド)
左右とも、中央の紫は同じ色なのですが、色味が違って見えますね。色には、色相が違う色を同時にみると、それぞれの色味の差が大きく感じられて、色相環※の反対の方向に色が移ったように見える性質があります。赤紫を背景とした紫は青みが増して見え、青を背景とした紫は、赤みが増し赤紫のように感じるのです。

例えば、お気に入りの紫色のソファがあるとしましょう。模様替えの時に、ソファの背景にあるカーテンを青い色に変えると、赤紫のような色に見えてくるということが起こってくるのです。

【ルール2】色相対比→異なる色相の配色は、それぞれの色味の差が大きく感じられる。

※色相環 赤から青紫までの色を順番に並べ、赤と青紫の間に赤紫を加えて円にしたものを色相環といいます。色の基本は色彩の達人への第一歩もチェックしてみてください。

派手になる!

配色によっては鮮やかさの度合いが変わってくることもあります。下図中央のピンクを見比べてみましょう。

配色【ルール3】彩度対比
両方とも同じピンクなのですが、薄いピンクを背景としたピンクの方が、赤を背景にしたものより、鮮やかに見えてきますね。彩度が違う色同士を組み合わせると、彩度の高い色はより鮮やかに、彩度の低い色はよりくすんで見えてきます。ですから、低彩度の薄いピンクを背景にした中彩度のピンクは従来の色よりも鮮やかに見え、高彩度の赤を背景にした中彩度ピンクは彩度が低く見えるのです。

例えば、優しく可憐なイメージの部屋にぴったりだと思ったピンクのクッションが、置く場所の色によっては、派手な印象になってしまうということもあります。背景の色を考慮して、色を選ぶといった工夫も必要ですね。

【ルール3】彩度対比→異なる彩度の配色は、彩度の高い色はより鮮やかに、彩度の低い色はより鈍い色に見える。

コントラストが強くなる!

配色【ルール4】補色対比右の花を見てください。エキゾチックな印象ですね。緑の葉と赤の花のコントラストがとても印象的です。これも配色のなせる業の1つです。緑と赤は色相環のほぼ反対側に位置する補色同士。補色にある色同士では、それぞれの色が強調されて見えてきます。

この補色同士の配色は、お料理の盛り付けでは良く使うテクニック。グリーンサラダに赤いトマトを添えたり、真っ赤なトマトソースに緑のパセリを散らしたりすることでお互いの色を引き立ててより美味しそうに感じさせています。

場合によっては、コントラストが強すぎてぎらぎらした印象になることもあります。少しコントラストを抑えたい場合には、彩度を低くして使うとよいでしょう。

【ルール4】補色対比→補色の関係にある色同士は、互いに色を強調し、それぞれが鮮やかになったように見える。

色選びの落とし穴はまだまだ有り。色の使い方にも注意です。次のページもチェック!
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