建築家住宅の実例

更新日:2002年08月29日

普通のマンションにも新しい風を マンションの室内に新提案

今回はちょっと変わった企画で、我孫子に建つ大規模マンションの「デザイナーズストリート」と名付けられた区画(1階部)を想定してつくられた独創的な住居プランをご紹介します。

さて最後は春日部さんの「家族プラットフォーム」です。
これは、少し佐藤さんの「Kinetic Space」とオーバーラップするところもありますが、建具の上に天板を乗せた大きなテーブルが機軸のように部屋を貫いています。大テーブルは玄関ホール(プライベートリビング)に始まって、そのままキッチンに連なり、さらにパブリックリビングへと突き抜けていきます。これをキッチンカウンターや食卓、ワーキングデスクとして使い分けるというわけです。
春日部さんは言います。「主寝室の前ではお父さんがパソコンに向かい、パブリックリビングの前では子どもが宿題に向かい、それに向かい合う形でお母さんが料理をしている、というように家族がひとつのテーブルで共有した時間を過ごせます。これを家族プラットフォームと呼んだわけです」

 

この大テーブルはひとつのキッチンカウンターと、3つの小テーブルに分解することもできるそうで、一直線に並べることに飽きたら、家族一人ひとりが自分のテーブルを持って、思い思いの場所に移動させることもできるとか。家族だけで使うとき、多くのお客さんを招いてパーティを開くとき、一人ひとりが離れて何かに集中したいとき---とTPOに応じてテーブルの配置を変えることで、全体の機能も変わる。そんなフレキシビリティを持ったプランといえるでしょう。

 

また、春日部さんのプランのおもしろいところは、外と中の接点を玄関ではなくむしろ庭に面した開口部に置いていること。
庭側のパブリックリビングに27.6畳というスペースを取り、庭からお客さんを招き入れることを提案しています。都心ではセキュリティ上どうかなと思われるこの提案も、我孫子という場所に人工的につくられた巨大マンションの街区内なら可能かもしれません。もちろんそうした指向を持たない家族にとっては、全部がプライベートリビングとなるわけですから、27.6畳という大空間の使い方をいろいろ楽しんで考えていけばよいでしょう。


いかがでしたでしょう?
いずれもユニークな生活スタイルが想像できてなかなか楽 しめるプランだと思うのは私だけでしょうか。現在これらのプランの原型となった部屋は、いわゆる普通のマンションの普通の間取りとして売り出されています。
それを自分たちなりの色に染めながら工夫して住んでいくというのが通常でしょうが、こうした建築家ならではの意外性のある提案を受け入れ、遊びごころで住んでみるというのもおもしろいように思います。
ご興味のある方は、ぜひ一度販売会場に足を運んでチェックしてみてください(Citiaマンションギャラリー 9月初旬から)。
好意的な反響があったということになれば、やがてはこうしたユニークなプランが通常のマンションの部屋に生かされるようになっていくことでしょう。

Citia:http://www.abico.jp

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川畑 博哉

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