乳腺炎/乳腺炎の予防

乳腺炎予防の搾乳法・搾乳機の使い方

乳腺炎などの母乳トラブルは、何かの理由で直接母乳ができないなど、状況の変化が主な原因です。母乳育児は、赤ちゃんに吸ってもらうことが一番大事なことですが、乳腺炎予防のためにも簡単にできる搾乳(さくにゅう)方法と搾乳機の使い方を紹介します。

赤岩 明

執筆者:赤岩 明

妊娠・出産ガイド

 

乳腺炎予防のために知っておきたい搾乳法・搾乳機の使い方

乳腺炎予防の搾乳法・搾乳器の使い方

乳腺炎を予防するために知っておきたい搾乳法や搾乳機について

順調に授乳できている方でも、吸われ初めに乳首が痛いと感じることがあります。母乳は赤ちゃんが乳首をくわえ、その反射で分泌されますが、分泌が盛んになるまでに少し時間がかかるので、お腹のすいた赤ちゃんが吸いつき、母乳がすぐに出ないと、強い力で吸うからです。特に、哺乳びんの乳首に慣れた赤ちゃんは、哺乳びんのようにすぐ出てこないと、3倍くらい強い力でお母さんの乳首を吸うとされています。母乳哺育を推進する立場から、哺乳びんの乳首が推奨されない理由の一つです。

この状態が続くと、乳管が閉塞し乳腺炎や、乳首トラブルのきっかけになります。
柔らかいストローを強く吸うとストローがつぶれて、吸えなくなるのと似ています。

そんな時に、あらかじめ上手に搾乳して、母乳分泌の流れを良くすれば、トラブルを最小限にすることができます。これを「前しぼり」と言います。搾乳手技は必要ないとの意見もありますが、現実的には、乳腺炎に限らず、日頃の乳房管理のためにも、搾乳の方法を知っておくと役立ちます。ちなみに、授乳の直後に腺房に残った母乳をおっぱいの張りが軽くなる程度に搾乳することを「後しぼり」と言います。腺房に母乳が残ったままになると乳腺炎のきっかけになります。
 

乳腺炎予防のための搾乳方法

乳腺炎と搾乳1

親指と人差し指で乳輪周囲をはさむようします
 

乳腺炎と搾乳2

親指と人差し指を胸壁に向けて約1cm押します

搾乳は、誰かにしてもらうものと勘違いしている方がおられますが、自分の手で絞るのが基本です。前しぼりの場合は、授乳の前に20~60秒ほど、何本かの乳口部から射乳が見られるようになるまで搾乳します。

日本では、ほとんどの産科施設で、搾乳方法については教えてもらえると思います。参考に写真で紹介します。乳房マッサージに関しては「乳腺炎とマッサージ」記事で紹介します。
 

搾乳機は使う前に専門家に相談を

乳腺炎と搾乳3

手動式搾乳機

 

乳腺炎と搾乳4

電動式搾乳機

昔、助産師さんの数が少ない産科などに、まるで畜産用かと思う立派な電動式の搾乳機が置いてありましたが、さまざまな乳房トラブルを生じさせることがあり、普及しませんでした。  最近、お産後の助産師さんに、「この搾乳機は良いわよ、先生もやってみたら」と勧められて自分の乳首に当ててみました。 感想に一言「うまく搾ってるなぁ」と言ったら、みんなに笑われました。

良く研究された搾乳機は、赤ちゃんの自然な哺乳に近い働きをするようです。お母さん方にも痛くないと好評です。

ただし、使う前には、専門家にアドバイスしてもらいましょう。本当は搾乳機などは必要のない状態なのに安易に使うとトラブルのきっかけになります。 赤ちゃんが新生児センターなどに入院して直接授乳できないとか、乳首トラブルがひどくて、今は直接授乳は無理、と感じている方には、お勧めできます。
 

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