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建築家住宅の実例
更新日:2005年04月11日
小林真人さんが横浜の荏田西に建てた音楽家の家を見ました。木造在来工法で建てられた、どこかホッとする無垢の木の家。南に向けて全開放できるリビングは、まるで屋内のテラスのような空間でした。

ゆったりとしたカースペースを通って玄関に行くと、その横には庭に張り出した小さな縁側が…。まわりがゆったりとした住宅地という環境だからこそできる、余裕のスペースです。

玄関を入ると、ぷんと木の香り。無垢のメイプルや杉の息づかいが聞こえるようです。1階には主寝室とご主人のワークルーム。建て主さんは音楽家の方なので、楽譜を入れる造り付けの収納が目に付きました。ワークルームの北側には、隠れ家ふうの小スペース(DEN)もあります。ちょっとこもって読書や物思いにふけりたいときには、こんなスペースがあると嬉しいですよね。隣家と接している1階は、明るさの確保のため外壁に視線を通さないガラスブロックが使われていました。



足にやさしい木の階段を上がっていくと、正面の部屋の高い天井が目に飛び込んできます。ここはロフトのある子ども部屋。2層分の高さの天井には梁があり、窓には補強のための鎹が入っています。和風モダンというか、民家ふうの造りですね。ところが壁も天井も白で統一、内壁に原色に近い赤や青があしらわれているためイメージは若々しく、デザイン的な空間に仕上がっています。高い天井にロフト、私も子どもの頃の夢でした。


続いてそのとなりは、南面に大開口部を持つLDKです。北側にキッチンと水回りをまとめ、あとはみごとにオープンなスペースを創出。小林さんが設計する家には、いずれもこうした大開口部を持つリビングがありますが、ここは南面に何も視界をさえぎるものがないためテラスに目隠しなどを付ける必要がなく、そのままドーンと開かれています。

デッキテラスが少し狭いのが残念ですが、視線を気にする必要のない開放感は得がたいものがあります。いや、開口部を全部開け放ってみれば、この南向きの大リビングこそ、まるまる「屋内テラス」と呼べるかもしれません。

「キッチンの上部収納は、上からの吊りと横壁で支えてるんですけど、これをどうしても1カ所で吊りたかった。2本使わないと強度的にやばいかなと思ったんだけど、なんとか1本でできました。1本だと造形的にきれいだし、空間にもグッと広がりが出るんですよ」(小林さん)
たしかに、斜度のある天井から吊られた上部収納はまるで宙に浮いているような軽やかなイメージ。その上にできた空間がここの開放感をいやがおうにも高めています。こういう細部へのこだわりの積み重ねが、いい空間、いい家をつくり出していくのでしょうね。
■設計監理:小林真人、坂口和敏/小林真人建築アトリエ
■施 工 :米村工務店
●延床面積:115.92m2
●構 造 :木造在来工法2階建て
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