文章:坂本 徹也(All About「建築家実例」旧ガイド)
真っ黒い家の中は一転して真っ白
 |
| 住宅地の中に「影」のように建つ、じつは細長の家 |
中島研さん(建築設計室 SITE PLAN)が杉並区に建てた「streetをもつ家」を見てきました。これは家の内部に路(street)と庭をつくりこんだオセロハウス。なぜ「オセロ」なのかって? 外側がすべて黒、中は真っ白というみごとな対比になっているからですね。
閑静な杉並の住宅地を行くと、角張った真っ黒なその家が見えてきます。外に向けてはほとんど開口部のない壁面は、いかにもプライバシーを大切にする都会人のための住まいといった印象。しかしながら、敷地が細長く隣家と接しているため、こうした形に落ち着いたのもむべなるかなと思われます。さっそく中を拝見しましょう。
1階正面には玄関と駐車場。玄関がいきなり道路に面しておらず、数歩分のアプローチを取ったことで、気持ち的にスペースに余裕が生まれました。入ってすぐは駐車場と一体化したエントランスホール。ここは室内なのか外なのか? 駐車場の上はグレーチングになっていて外光がこぼれ落ちてきますが、そこには半透明のアクリル板が敷かれているため、雨や外気からは遮断されている。つまりここは室内だということですね。
 |
| エントランスと中で繋がっているカースペース |
 |
| 光が降り注ぐエントランス |
しかしながらこの奥に上がり框があり、そこで靴を脱いで上がる形になっていますから、感覚としては外部的な中ということでしょう。見れば床は白い石タイル。これは室内にも使われていて、空間的な一体感を生み出しています。それにしても外壁の黒とは対照的に、室内は徹底して白、白、白で統一され、それが視覚的な広がりにも貢献しています。
streetに沿ってある個室と中庭
 |
| 白いstreetが建物中央を貫く |
一段高くなった内部玄関はそのまま廊下(street)になり、それを軸に右側にバスルーム~庭木のある中庭~主寝室、左側には中庭~階段室~ウォークインクローゼットが順に並んでいます。床も壁も真っ白、中庭に敷き詰められた石までもが白です。
 |
| トップライトからの光と中庭からの光が浴槽を照らす |
一見した印象をいえば、廊下は桟橋でそこからアイランド的に生活空間が置かれているといった感覚でしょうか。それにしても、寝室から玄関側を見ると、その距離感はなかなかのもの。長い廊下の左右に2つの中庭が見え、それぞれの上から日が射し込んでくるため、じっさい以上の空間の広がりが感じられます。バスルームと寝室に挟まれた中庭には、ハナミズキの木。真っ白な空間に浮かび上がる緑がとても際だって見えました。
 |
| streetに導かれて寝室に入る |
 |  |
| ハナミズキのある中庭 | ギャラリーとしても使えそう |
-->>引き続き2階にご案内いたします!