文章:坂本 徹也(All About「建築家実例」旧ガイド)
小さな敷地を大きく使う
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| 木製のルーバーが家の表情をやわらげている |
横浜市港南区。急勾配の坂道が続く住宅地の一角に、
中島研さん(建築設計室 SITE PLAN)が設計された「愛犬と住む家」はあります。聞けば、シェットランドシープドッグと暮らすご婦人が、近くに住むやはり愛犬家の娘さんとともにプランを練られた、一人暮らしのための家だとか(将来的には同居の予定)。玄関脇につくられた足洗い場の中のコンクリートに、愛犬の足跡がしっかり刻み込まれていることからも、ここが愛犬と暮らすための家だというのがわかります。
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| 足が泥んこになったときに使う足洗い場、お湯が出ます |
小さな敷地に小さな部屋をいくつもつくるという発想で建てられてきた日本の住宅ですが、ここはそんな古い住宅の概念をはなから退け、小さな敷地を大きく使うことを意識してつくられた一軒になっています。
それは、通りに面してテラスやベランダをしっかり取り、とにかく開放できる方向に開放しようとした形状からも明らか。それにしても、狭い敷地にもかかわらず1階に外部テラス、2階にもベランダを設けたのは、やはり愛犬をできるだけ外の自然に触れさせてやりたいという思いからでしょうか?
犬といるためのテラコッタの大空間
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| 思わず見上げてしまう天井の高さ! |
中に入ると一目でわかりますが、ここは一室空間の家。1階は大きな吹き抜けを持つひとつのリビング+ダイニングで、ここを中核としてすべての生活機能が衛星のように配されていくという構成になっています。それはとてもわかりやすくて潔い空間。ミニ開発で建てられた古い住宅の概念など、どこかに吹っ飛んでしまうような潔さです。
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| 滑りにくく足にやさしいテラコッタの床、メンテナンスもよい |
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中空に浮かぶ照明が空間の 広がりを強調 |
床はあたたかみのあるテラコッタ風のタイル。しっとりして滑らず、やわらかい。犬の足にやさしいことでも定評があります。天井から吊り下げられているのは、照明を好きな場所に動かすための配線ケーブル。これがなかなかよくて、どこかシャンデリアの雰囲気を室内に醸しだしています。この照明といい、趣味の小物・雑貨を飾るためのガラスの壁収納といい、あたたかみのある木枠の窓や、ベンチ状に設えられた木の収納部といい、やはりここは女性が愛犬と暮らすための設計空間なのだという意図が伝わってきます。
そして床に使われたテラコッタは、そのまま外部テラスへと続き、それらが一続きであることを強調しています。犬はこの開放された空間で、好きなように日中を過ごすことができる。さらに外部テラスの先は駐車場になっていますが、そこにあるゲートを閉めると、敷地内すべてが犬の遊び場にもなるということですね。
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| 引き戸を全開放すれば外と中が一繋がりになる |
続いて2Fをご案内いたします