建築家住宅の実例

更新日:2006年06月05日

17坪の地に二世帯住宅「朝の家」

須永豪さんが北馬込に建てた「朝の家」を拝見しました。細い路地をたどって行き着いたその敷地は、まさにどん詰まりともいえる場所。17坪というこの地に須永さんは、狭いながらも楽しい我が家を実現しました。

文章:坂本 徹也(All About「建築家実例」旧ガイド)

朝日に向かって開かれた家

東に向かって開かれた家
東から奥に向かって広がって建つ

須永豪さんが大田区北馬込に建てた「朝の家」を拝見しました。細い路地をたどって行き着いたその敷地は、まさにどん詰まりともいえる場所。その先は、パリのモンマルトルのような急な階段の続く坂道で、こんな場所によく工事のトラックが入ったものだと感心させられます。

須永さんがこの家に「朝の家」と名付けたわけはすぐにわかりました。この家には3層に連なって開口部が設けられているのですが、それが東からの陽光をあますところなく取り込むように大きく開かれていたからです。

いっとう奥まった場所にある
パリで見たような急な坂

ペンシル型に折れ曲げられた和室

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キッチンの奥に朝日の当たる和室
さて、須永さんは17坪という土地にどんな解答を提示したのか、興味津々で内部を見ていきますと、まずは入ってすぐの右手に浴室。さらに左手に廊下があって、その奥が和室になっていました。

この和室が親世帯の部屋。廊下の両側にはカーテンが張られていましたが、じつはその裏にはキッチンが隠されています。キッチンは上階のリビングにもつくる予定なのだそうですが、まだ息子さんが独身のうちはここで親子の食事が用意されるのでしょう。

注目すべきは、開口部が東に向かうようにしてつくられた和室の快適さ! それがどこから来るものかをよーく観察しますと、どうやらそれはこの和室らしくない鋭角的な形状にあるようです。
つまり、真東に向けて開口部をとるため、部屋の形がペンシル型に折れ曲げられているわけですが、その視覚効果によってかえって室内に広がりが出た。さらに、隣家の壁とあえて平行になるのを避けたため、ギリギリの圧迫感がなくなり、外を広角的に見られる余裕が生まれたということですね。朝は一番にこの開口部から暁光が日が差し込み、1日の始まりを小気味よく告げてくれることでしょう。
また、壁面と開口部を跨ぐ形で設えられた収納部の足下に空間をとって宙に浮いた格好にし、視覚的に部屋全体の広さを生かした小技も効いていました。

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視覚的な広がりが生まれた鋭角の和室

開放的なプライベート空間

2階への階段を上がると、途中から左手に子世帯の寝室が見えてきます。階段とこの部屋との境には壁がなく、“開放的”なプライベート空間ということですが、寝室には横長の小さなハイサイドライトとトップライトしかないため、階段室の大きな開口部からも補助的に外光を取り込むことを考えたということでしょうか(ここは反対側の壁に隠された引き戸によって閉ざすこともできるようです)。

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子世帯の部屋は木と白壁のシンプルな空間

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階段室からも溢れんばかりの外光が入ってくる

この寝室は白い壁と無垢の木でシンプルにまとめられた好感の持てる部屋。天井がわりに柿渋を塗った木をルーバー状に並べて無機質になりがちな空間に素材の持つ安心感を与え、あえてその先があることを強調することで空間的なゆとりが演出されています。なかなか心憎いデザインですよねー。

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子世帯の寝室を開放すれば2階は一連なりの大空間に

そして階段部を挟んでもう一方の部屋は、やはり真東に向けて大きく開かれたリビングです。ここも1階の和室と同様、街区とズラした形で壁面がつくられているため、行き止まり感のない余裕が生まれました。朝日を浴びながらとる朝食は、気持ちよい目覚めを提供してくれることでしょう。

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リビングから寝室を見る、白いスチール製のルーバーは
ブラインド代わり

-->>続いて秘密の小屋裏にご案内いたしましょう!


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この記事の担当ガイド

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川畑 博哉

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