更新日:2007年08月23日

窓がない!?光の筒で採光する電化住宅

編集部 住まい 写真

建築家のつくった住宅を現地取材。通りに面する「白」の左官壁が印象的なオール電化住宅です。美意識の高いご夫婦がオール電化に求めたものは?

文章:白崎 泰弘(All About「オール電化住宅」旧ガイド)

今回は建築家のつくったモダンテイストの住宅を紹介します。建築家はテレデザインの田島則行さん。Switch! the design projectにも携わっている新進気鋭の建築家です。現地には当時の設計担当である神津好英さんが同行してくださいました。

<物件概要>
場 所 :東京都内                  
完成時期:2006年完成
用 途 :専用住宅
規 模 :地上3階建
家族構成:ご夫婦+愛犬
オール電化設備:エコキュート・IHクッキングヒーター・電気式床暖房


“白い箱”に徹した外観

「白い箱」の外観
「白い箱」の外観
敷地は交通量の多い環状線から10mほど入ったところにあります。
住宅らしさを排除したシンプルな白の壁が印象的です。

3階にある正方形のパネルの奥には消防隊用の非常用進入口になる窓が隠れています。進入口は、建築基準法で3階以上に必要なものなのですが、この建物にあっては白い左官壁のアクセントとなって、気の利いたデザインになっています。機能的には遮音と目隠しの役割をこのパネルが果たしています。

ご主人のイメージは『白い箱』だったそうですが、ここまでシンプルな『箱』のデザインを関係法規を守りながら実現できたことは、建築家の力量を充分に感じさせてくれます。

書斎のあるガレージ?!

ガレージ
ガレージはご主人の趣味の場所
横引きシャッター脇の入口を入ると、2台分の広々としたガレージがあり、その向こうに玄関と書斎に入る扉があります。

ガレージの床は通常の土間コンではなく、豆砂利洗い出し仕上げとしています。
これは、モルタルの中に豆砂利を加えて、コテ押さえ。硬化する前に豆砂利が顔を出すまで表面のモルタルを洗い流してしまうという仕上げです。

手間のかかる仕上げを選んだのは、車好きのご主人に対して、快適なガレージライフを送ってくださいという建築家からのメッセージなのでしょう。
「車以外にもスノーボードや自転車をいじってます。ガレージから書斎へ直接行けるので、この場に居ることが結構多いですね。」とご主人。

ガラスの天井
ガレージ内にあるガラスの天井は、実は2階の中庭部分!
そして、そのガレージ内で、ひときわ目を引くのは玄関扉の手前で柔らかな光を落としているガラスの天井。テーブルの足の影やサンダルらしきものが見えます。

案内されて階段を折り返して上がっていくと、先ほど天井だったガラスは、何と中庭の床となって現れ、その向こうに白を基調としたさわやかなLDKが続いています。

白を基調としたLDK
白を基調としたさわやかなLDK


タテに挿入された2本の光の筒

防音のために通りからの採光を放棄したこの住宅は、2本の光の筒によって内部に光を運んでいます。

1階の浴室
1階の浴室に面する光の筒
1つは2階中庭のガラス床から3階まで伸びる筒で、3階の寝室と2階のLDK、そして1階のガレージに光を落とします。
もう一つは1階浴室の坪庭から2階のキッチンのところまで伸びています。こちらは、アルミの横ルーバーが隣家側に設えており、風を入れながらも隣家の視線を遮っています。
この2つの光の筒が、閉じた箱を目指したこの住宅に明るさをもたらし、外の天気を教えてくれます。



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