オール電化厨房のレストラン紹介

更新日:2008年04月10日

プロが使う電化厨房〜中華編〜

編集部 住まい 写真

前回に続いて電化厨房の取材です。今回は「炎の料理」とも言われる中華料理。中華料理用の業務用IH調理器もあり、電化厨房は増えてきています。さて、どんな使い方をしているのでしょう。

文章:白崎 泰弘(All About「オール電化住宅」旧ガイド)

前回は、フレンチレストランの電化厨房をご紹介しましたが、今回は中華レストランです。
「えっ?火を使わずに中華?」と思う方もいるかもしれませんね。「炎の料理」とも言われる中華料理ですが、中華料理用の業務用IHもあり、電化厨房は増えてきています。今回は、東京都練馬区のホテルカデンツァ光が丘にある中華レストラン、「白楽天」の総料理長・鈴木豊さん、中華総料理長・劉和平さんにお話を伺いました。
「白楽天」の鈴木豊さん、劉和平さん
「白楽天」の鈴木豊さん(右)、劉和平さん(左)

初めて接する電化厨房は?

ホテルカデンツァ光が丘がある「J・CITY」は、オフィスとホテルの複合施設で、施設全体がオール電化になっています。白楽天は14年前のJ・CITYのオープンの時、すでに電化厨房が設計された段階で、入店の打診をされたそうです。鈴木さん、劉さんとも、それまではガスの厨房で働いていたそうです。(以下、敬称略)


—電化厨房に抵抗はありませんでしたか?
鈴木:当時は電化厨房が少なかったですし、「鍋は振らずにお玉で混ぜるだけの調理になる」という話も聞きましたので、戸惑いもありました。他の電化厨房を見学に行くと、電熱線式(シーズヒーター)のコンロで、火力の立ち上がりが遅いため、ヒーターをつけっぱなしにしていました。そのため厨房がとても暑く、これは大変だなと思いました。ところが、こちらの店の厨房は、中華用のIHレンジだったので全く違いました。実際に使ってみると、その火力の立ち上がりの早さと強さに驚きました。むしろ、焦げないように注意が必要だと思いました。

—電化での調理にはどれくらいで慣れましたか?
劉:慣れる為の時間はほとんど必要ありませんでした。
鈴木:火力が強いので、鍋を置きっぱなしにすると焦げてしまいます。適宜、コンロから鍋をずらす、つまり、鍋を振りながらの調理になります。ガスの時と全く同じように料理できるので、すぐに慣れました。火力の調整もしやすいですし。

電化厨房のメリットとは?

—電化厨房のメリットは何でしょうか?
鈴木:夏場でも厨房が暑くなく快適なことです。鍋を上げたときに、火が追いかけてこない分、厨房が暑くなりません。エネルギーの無駄も少ないわけです。ガスの厨房では、40℃を超えることもあり、汗だくで仕事していました。
劉:油煙が少ないですから、ダクトの汚れが少ないです。それと鍋などが長持ちします。ガスだと、鍋に黒く油がまとわりついてしまい、それを落とすため、頻繁に空焼きして手入れする必要がありましたが、今はその頻度が少ないです。鍋は焼くと減ってしまいます。ガスのバーナーのときは、1~2ヶ月で鍋に穴があくこともありましたが、電化厨房だと5~6年は持ちます。

—逆にデメリットはありますか?
鈴木:あえて言うとするなら、「やさしさ」「柔らかさ」がないというか…。
劉:ガスでは火を弱めても、真ん中が熱く、その熱が周りに広がっていく。その微妙な加減を料理にうまく使っていたのですが、電化では、鍋の温度が均一なので、そのようなことは出来ません。
鈴木:でも、電化、ガスそれぞれの特性が分かっていますので、それを見込んで調理しています。それが「プロの技術」というものです。

—若いスタッフに教える場面では、電化・ガスでの違いがありますか?
鈴木:IH式でもガスのバーナーでも、教える側からの違いはありません。学ぶ側からも、最近では、電化厨房の学校もあるので、問題はありません。
劉:むしろ、ガスを使ったことがない人が、ガスの厨房で働くとなると、慣れるのに時間がかかるかもしれません。ただ、就職してすぐに調理できるわけではありませんから、問題は無いですね。

—他の厨房に移るとしたら、電化とガス、どちらがいいですか?
劉:どちらでも仕事は変わりません。同じように料理できますから。でもあえて言うなら、厨房の環境がいい電化ですかね。
鈴木:シェフの健康面を考えるなら、電化がいいと思います。ガスの厨房では、服や髪にも油煙がまとわりつきます。それを吸い込んでいると思うと、体にいいとは思えません。

それでは、厨房を拝見します!  >次ページ
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