資産運用

「貯蓄から投資へ」は必要ないと約6割が認識

野村アセットマネジメントが毎年実施している「投資信託に対する意識調査」(第5回目)の結果が、2010年1月に発表されました。その結果の中の一つに「投資にはリスクがあり、【貯蓄から投資へ】は必要ないことだと思う」という回答が約6割を占めました。

平田 浩章

執筆者:平田 浩章

ファミリーのためのお金入門ガイド

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20~40代の女性では、約66%が投資は必要なしと認識

今回の調査で、全体では「投資は必要」と思っている意見の割合は42.4%、「投資は必要ない」は56.7%でした。男女別では男性の方が必要と考える割合が多く、女性は全般的に低い傾向となりました。

特に女性の20代で66.1%、30代は66.5%、40代で66.8%と概ね2/3の人が、「投資は必要ない」考えています。 

正しい投資の必要性は高い

投資は活用の仕方によっては、格差社会・自己責任社会を乗り越えて、ゆたかな人生を過ごしていくための協力なパートーになる

投資は活用の仕方によっては、格差社会・自己責任社会を乗り越えて、ゆたかな人生を過ごしていくための協力なパートーになる

これまで多数の家計相談にのり、人生設計作りや財産計画、その対策・家計改善などを実施してきた、いちFPの所感としてはその経験から、今回の調査結果に危機感を感じます。

これからの社会において、コツコツ働いて貯蓄だけをしているだけでは、私たちの親やその上の世代のような、ゆとりある人生を過ごしていける時代ではないからです。

理由は次のとおりです

⇒収入(給与)の増加が期待しにくい
人口減少などによる内需の縮小によって、企業業績の飛躍的な向上は望みにくく、給与なども上がりにくくなっている

⇒利息が増えない
世界で最も超低金利の預金利息水準のトレンドは、今後も変わりにくい

⇒年金だけでは望む人生を過ごせない
公的年金なども厳しい財政状況にあり、年金だけでは希望するセカンドライフの支えにはなり得ない

⇒低金利の預貯金では、インフレが起こったら財産を守れない
国内自給率の低い日本の物価は、インフレが続く海外諸国からの輸入依存度が高く、将来的にはインフレ(物価上昇)の影響を強く受ける可能性が高く、物価上昇率より預貯金の金利が低くなると、実質的に資産は目減りしてしまう
 

望む人生を過ごすためには、正しい投資の活用は効果的

よほど高収入・低支出な家計か、蓄えてきた資産や退職金などが多い家計でない限り、預貯金だけでの生涯にわたって不安のないような資産形成は、厳しいというのが率直なところです。

投資の活用次第で、望む人生を叶えられるかどうかの明暗を分けることも多いです。

だからと言って、知識もなくやみくもに運用商品を購入するというのも危険です。しっかりと知識をつけて臨むか、専門家の適切なアドバイスを受けながら、自分のライフプランや財産計画に沿った取り組みが必要です。
 

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