メキシコ/メキシコの観光・世界遺産

メキシコの観光・世界遺産 おすすめのスポット2017

メキシコには、世界遺産を含めて観光の見どころがたくさん。ここでは遺跡、ビーチ、壁画、ルイス・バラガンの建築、ルチャリブレやサッカーなど観光に欠かせないスポットを案内します。【2017年更新】

長屋 美保

執筆者:長屋 美保

メキシコガイド

見どころが一気にわかる、メキシコの観光・世界遺産ガイド

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メキシコを代表するテオティワカン遺跡

歴史に培われた文化と、自然が融合したメキシコは登録数30件もある世界遺産を中心に見どころがたくさん! ここでは、外せない名所からサッカー、プロレスなどまで、これぞメキシコ!と言うべき見どころを案内していきます。

メキシコの遺跡

深い森の中にあるカラクムル©メキシコ観光局

深い森の中にあるカラクムル©メキシコ観光局

メキシコシティ近郊の世界最大の宗教都市テオティワカン(紀元前2世紀)や北部チワワ州にある迷路のような不思議な造形のパキメ(14世紀頃)、オアハカ州の盆地に建てられたモンテ・アルバン(6世紀頃)など、世界遺産に登録されている遺跡10件を含め、メキシコで登録されている遺跡は110件以上あります。しかも発掘されていないものもあるそうで、それを含めたら、おびただしい数の遺跡があることになりますね。

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遺跡観光の拠点として人気なのが、メキシコ南部。ユカタン半島一帯と、隣接するチアパス州の森の中に、マヤ文明の重要な遺跡が集中していて、世界遺産に登録されているウシュマル(7世紀初頭、ユカタン州)、チェチェン・イツァー(6世紀、ユカタン州)、カラクムル(6世紀頃、カンペチェ 州)、パレンケ(7世紀、チアパス州)の4件のほか28件もの遺跡が一般に公開されています。

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広大な平原や鬱蒼とした森のなかに堂々と立つ遺跡の姿は、優れた建築技術を持っていた古代人たちを物語っています。それぞれの遺跡ごとに異なった魅力があるので、ぜひ巡ってみるのがおすすめ。遺跡から太古の歴史に想いを馳せてみませんか?

参考:
メキシコ国立人類学歴史研究所……公開されている遺跡の住所や、入場料などの情報を公開

メキシコの教会

豪華絢爛のサントドミンゴ教会(プエブラ)内部

豪華絢爛のサントドミンゴ教会(プエブラ)内部

カトリック教徒の多いメキシコでは、全国どの町にも必ず教会や礼拝堂があるのですが、美しい建築様式のものが多いです。なかでも、メキシコシティより東へ100kmほどの都市プエブラとそこから西へ8km離れたチョ ルーラに多く、565もの教会があります。チョルーラは世界遺産に登録されている5~8世紀頃の世界最大級のピラミッドの上に教会が建てられた独特な場所で、ピラミッド内部も見学できます。

【関連記事】25世紀の歴史を持つ古代都市チョルーラとピラミッド

cholula

チョルーラの教会と遺跡。丘のように見えるけど、ピラミッド!


一方プエブラの教会の多くが16~17世紀に建立。建築としても見応えがありますが、特に超バロック建築の傑作なのが、プエブラの中心にあるサントドミンゴ教会。天井までびっしり施された金箔レリーフが圧巻です。

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また1551年から1世紀余りをかけ建てられたオアハカ市のサントドミンゴ教会や、サンミゲル・デ・アジェンデのサンミゲル教区教会なども意匠が素晴らしい教会として知られています。

<DATA>
プエブラ
■Iglesia de Santo Domingo (イグレシア・デ・サントドミンゴ)
住所:Calle 5 de Mayo y 4 Poniente(Googleマップ

■Cholula(チョルーラ)
住所:Santuario de la Virgen de los Remedios,Calle Ferrocarril, Cholula, Zona Arqueológica San Andrés Cholula, 72760 San Andrés Cholula(Googleマップ
開館時間:10:00 ~ 17:00 月曜休
料金:70メキシコペソ

オアハカ
■Iglesia de Santo Domingo (イグレシア・デ・サントドミンゴ)
住所:Macedonio Alcalá esq. Adolfo Gurrión s/n,Centro,Oaxaca(Googleマップ

サンミゲル・デ・アジェンデ
■Parroquia de San miguel Arcángel(パロキア・デ・サンミゲル・アルカンヘル)
住所:Antonia Plaza San miguel de allende, Guanajuato (Googleマップ

メキシコの先住民文化

死者の日のミチョアカン、ユヌエン島©Bruce Herman/メキシコ観光局

死者の日のミチョアカン、ユヌエン島©Bruce Herman/メキシコ観光局

メキシコはインドに次いで、世界で2番目に先住民人口の多い国。先住民文化は、メキシコのルーツであり、メキシコ文化を代表する民芸品、舞踊、音楽、食などにも、その伝統や習慣が色濃く現れています。現在、メキシコには62種の先住民族が存在しますが、その特色が濃く出ていて、かつ好アクセスなのが、南部のマヤ系先住民族が多い、チアパス州サンクリストバル・デ・ラスカサスの周辺と、中央高原部北西部の先住民族プレペチャの拠点となるモレリア州ミチョアカンのウルアパンやパツクアロ。そして、メキシコ南西部の太平洋側から内陸部にかけて広がるオアハカ州の州都オアハカ市近郊。

オアハカ州は先住民人口の比率が40%と最も高い州なので、ぜひ訪れてほしい場所のひとつ。パステルカラーのかわいらしい建築が立ち並ぶ町並みに、先住民文化が息づく独特なオアハカ市中心街は、世界遺産に登録されています。またオアハカはサポテコ、ミステコ、マサテコほか、多様な先住民族が存在し、民芸品の種類も豊富なことで知られています。最近では、そのキュートな刺繍のブラウスやテキスタイル、置物といった特産品が、クラフト好きにも人気で、注目のスポットになりつつあります。

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メキシコのコロニアル都市

絵本みたいにカラフルなグアナファトの町並み

絵本みたいにカラフルなグアナファトの町並み

スペイン侵略の歴史を経て生まれたメキシコには、スペインの建築技術によってつくられたコロニアル都市(植民地都市)が多くあります。特に中央高原部周辺にはメキシコシティ、プエブラ、グアダラハラ、モレリア、サカテカス、グアナファト、サンミゲル・デ・アジェンデ、ケレタロと世界遺産に登録される都市が8つも! なかでも、メキシコで最も美しい町並みと謳われるグアナファトは、世界中の観光客から人気です。18世紀まで銀の産出が世界一だったこの都市には、贅を尽くしたバロックやネオクラシック様式の建築がたくさん。山の傾斜にびっしりと建てられたカラフルな建物や石畳の路地が迷路のように張り巡らされた風景は、まるで中世の物語の世界!

参考:メキシコ世界遺産都市協会……世界遺産に登録されるメキシコのコロニアル都市を紹介

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メキシコシティの観光名所
建築・グルメなど魅力あふれる世界遺産の町プエブラ

メキシコのビーチ

カンクンの海でパラシュート!©Bruce Herman/メキシコ観光局

カンクンの海でパラシュート!©Bruce Herman/メキシコ観光局

南部のユカタン半島キンタナロー州に位置するカンクンや、北部の南バハカリフォルニア州ロスカボスは、ハリウッドセレブも訪れるような国際的ビーチリゾート。

カンクンの周辺にはダイビングで有名なコスメルほか、世界自然遺産に登録されるシアン・カーン生物圏保護区があり、ロスカボスの周辺にも世界自然遺産に登録されるカリフォルニア湾の島々と毎年、クジラが訪れるエル・ビスカイノの2つの自然保護区があります。自然とラグジュアリー、ウォータースポーツを楽しめる贅沢なスポット。

【関連記事】中米が誇る一流リゾート、カンクンとその近郊

西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面しているメキシコには味のあるビーチが他にもたくさん。シナロア州マサトラン、オアハカ州プエルト・エスコンディード、ハリスコ州プエルト・バジャルタ、ゲレロ州アカプルコ、ベラクルス州プエルト・デ・ベラクルスなど、近代的な高級リゾートにない、メキシコ情緒のある旅を楽しみたい人におすすめ。

 

ルイス・バラガンの建築

ルイス・バラガン邸の屋上

ルイス・バラガン邸の屋上

近代建築の巨匠、ルイス・バラガン(1902~1988)のメキシコシティにある元自邸とスタジオは、現在博物館として一般公開され、世界遺産に登録。世界各国から訪れる人々が後を絶ちませんが、なかでも日本からの来訪者が最も多いそう!

アラブやヨーロッパ建築、さらに日本の禅にも影響を受けているバラガンの家は、洗練と自然が調和したモダンの極み。メキシコの強烈な日差しを活かしつつも、静謐(せいひつ)な空間を形成しています。

メキシコシティには、バラガンの代表建築である、ヒラルディ邸やサテリテ・タワーなどがあるので、巡ってみるのも良いでしょう。

<DATA>
Casa Luis Barragán(カーサ・ルイス・バラガン)
住所:General Francisco Ramírez 14, Ampliación Daniel Garza(Googleマップ
地下鉄7号線コンスティトゥジェンテス(CONSTITUYENTES)駅から徒歩5分
開館時間:(月~金曜)10:30、11:30、12:30、15:30、16:00、(土、日曜)10時30分、12時 

TEL:55 5515-4908、55 5272-4945 (受付時間 10:00~17:00)
E mail:casaluisbarragan@gmail.com
ホームページのフォーマットより要予約(英語、スペイン語)
料金:400メキシコペソ

■Casa Gilardi (カーサ・ヒラルディ)
住所:General Antonio Leon num 82,San miguel chapultepec(Googleマップ
TEL:55 5271-3575
料金:有料(金額は家主に確認を)

■Las torres de Satélite(ラス・トーレス・デ・サテリテ)
住所:Boulevard Manuel Avila Camacho Naucalpan de Juarez(Googleマップ
メキシコシティから北西へ、ケレタロ州方面に向かう道路から見える

フリーダ・カーロゆかりの地

瀟洒な住宅街のなかにあるフリーダ・カーロ博物館

瀟洒(しょうしゃ)な住宅街のなかにあるフリーダ・カーロ博物館

シュールレアリズム画家として国際的評価の高いフリーダ・カーロ(1907~1954)。重い病や、事故による後遺症を抱えながらも、創作活動に没頭してきた彼女。さらに、画家ディエゴ・リベラとの激しい結婚生活、奔放な恋愛など、たびたび映画化されるほど怒濤の人生を送っていました。
frida casa

フリーダの家の壁には「1929年から1954年まで、フリーダとディエゴはこの家で暮らした」と書かれている


メキシコシティの南部には、フリーダの生家や、ディエゴとともに暮らしたスタジオ兼自宅、フリーダとディエゴの作品を所蔵するドローレス・オルメド美術館があるので、フリーダゆかりの地ツアーにうってつけ。

なかでも現在博物館となっているフリーダの生家は、彼女のファンなら外せません。絵画の展示数は少ないですが、台所、寝室、アトリエが当時のままに保存されているのでフリーダという女性を身近に感じられるはず。

青い壁の家のなかは民芸品や雑貨で飾られ、広い庭は緑に溢れています。彼女がこの小さな楽園のなかでイマジネーションをふくらませ、後に世界中の人々を魅了する絵を描き続けていたと思うと感慨深いものがあります。

<DATA>
Casa Frida Kahlo(カーサ・フリーダ・カーロ)
住所:Londres 247 esq. Allende,Del Carmen, Coyoacán(Googleマップ
アクセス:地下鉄3号線のCoyoacan駅からタクシーで約10分
開館時間:10:00~17:30 月曜休
料金:200メキシコペソ (火~金)、220メキシコペソ(土、日)

Casa Estudio Diego Rivera y Frida Kahlo(カーサ・エストゥディオ・ディエゴ・リベラ・イ・フリーダ・カーロ)
住所:Diego Rivera 2 esq. Altavista,Col. San Ángel Inn, Álvaro Obregón(Googleマップ
開館時間:10:00~17:30 月曜休
料金:30メキシコペソ

Museo Dolores Olmedo Patiño(ムセオ・ドロレス・オルメド・パティーニョ)
住所:Av. México 5843,Col. La Noria, Xochimilco(Googleマップ
開館時間:10:00~18:00 月曜休
料金:100メキシコペソ  

メキシコの壁画

チャプルテペック城の一室にあるシケイロスの傑作『人類の行進』

チャプルテペック城の一室にあるシケイロスの傑作『人類の行進』

革命下の1920~1930年代に、ディエゴ・リベラ、ダビッド・アルファロ・シケイロス、ホセ・クレメンテ・オロスコを中心に展開されたメキシコの壁画運動は、アートというだけでなく、社会的な影響力を持っていました。公共の建物の壁に描かれた作品は誰もが無料で見られ、スペイン語のわからない先住民たちにもメキシコの歴史や政治を絵によって説き、民族としての誇りを呼び覚ましたのです。

その活動は、岡本太郎ほか世界の多くの芸術家たちに影響を与えました。壁画は、絵画のように搬送できないことから、現地で見るしかありません。躍動感溢れ、迫力ある作品の数々は、心に強く残るでしょう。
Diego Palacio nacional

国立宮殿のディエゴ・リベラ作『メキシコの歴史』は外せない、大作


数ある壁画のなかで有名なのがメキシコシティの国立宮殿内のディエゴ・リベラ作『メキシコの歴史』。そのほか、世界文化遺産に登録されているメキシコ国立自治大学(UNAM)の中央キャンパスや、ベジャス・アルテス、チャペルテック城の壁画群も見逃せません。

<DATA>
■Palacio nacional(パラシオ・ナシオナル)
住所:Interior de Palacio Nacional,Centro Histórico(Googleマップ
開館時間:毎日9:00~16:00
料金:無料(入場にはパスポートなどの身分証明書が必要)

■UNAM(ウナム)
住所:Pedregal de San Ángel,Coyoacan(Googleマップ
アクセス:メトロバス、ドクトル・ガルベス(Dr Gálvez)駅または地下鉄3号線コピルコ(Copilco)駅から徒歩15分

■Palacio de Bellas Artes(パラシオ・デ・ベジャスアルテス)
住所:Av. Juárez s/n, esq. Eje Central Lázaro Cárdenas Centro Histórico(Googleマップ
開館時間:10:00~18:00月曜休
料金:60メキシコペソ

■Castillo de Chapultepec(カスティージョ・デ・チャプルテペック)
住所:Bosque de Chapultepec, Primera sección, Miguel Hidalgo(Googleマップ
開館時間:9:00~17:00月曜休
料金:51メキシコペソ 

メキシコサッカー

世界最大級のアステカ・スタジアムundefined©Alfredo Sanchez Jaramillo 

世界最大級のアステカ・スタジアム ©Alfredo Sanchez Jaramillo

サッカーはメキシコの老若男女を熱狂させる国民的スポーツ。重要な試合が行われた日には、勝ったチームのサポーターたちが群れをなして、町を練り歩く姿を見かけるほど。

メキシコシティ南部にあるアステカ・スタジアムは1968年のメキシコオリンピックのときに建設され、11万4,465人を収容する世界最大のスタジアム。FIFAワールドカップの会場として、ペレやマラドーナなど伝説の選手たちがサッカー史上に残る名プレイをした場所です。観戦でメキシコ人たちと一緒に盛り上がるのも楽しいですよ。

<DATA>
Estadio Azteca(エスタディオ・アステカ)
住所:Calzada de Tlalpan3665 ,Santa Úrsula Coapa ,Coyoacán(Googleマップ
アクセス:地下鉄2号線の南終点駅TasqueñaからTren Ligeroに乗り換え、Estadio Azteca駅下車 徒歩4分。
料金:40~600メキシコペソ(試合や座席によって変動)チケットの購入には、スタジアムの券売所、またはインターネットのチケット販売サイト、Ticket Masterを利用
参考>>>Ticket Masterのアステカ・スタジアムのページ

 

メキシコプロレス=ルチャリブレ

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アレナ・メヒコで闘うイホ・デル・ペロ・アグアヨ(右)と ネグロカサス(左) (C) Rosalio Vera

メキシコ大衆文化の象徴、メキシカンプロレス=ルチャリブレ。派手なマスクをつけたルチャドール(レスラー)たちが、アクロバティックな空中技をみせる様は、エンターテインメントとして最高。メキシコシティにはルチャリブレの聖地とされるアレナ・メヒコとアレナ・コリセオの2つの会場があります。かつては初代タイガーマスクが闘い、現在もウルティモ・ドラゴンを始めとする多くの日本人レスラーたちが活躍中なことからも、日本人観光客も訪れています。

<DATA>
■Arena México(アレナ・メヒコ)
住所:Doctor Lavista 203, Doctores (Googleマップ
アクセス:地下鉄1号線Cuauhtémoc駅から徒歩5分
料金:65~280メキシコペソ

■Arena Coliseo(アレナ・コリセオ)
住所:Republica de Peru 77,Centro(Googleマップ
アクセス:地下鉄2号線Allende駅から徒歩8分
料金:40~210メキシコペソ

入場券は各会場で当日購入。価格は、試合や座席によって変動。治安が悪い場所にあるので注意!

ルチャリブレ会場の行き方や、入場券の買い方を案内しています>>>究極の大衆文化!メキシカンプロレス、ルチャリブレ 






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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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