結婚式・披露宴の準備/披露宴のプログラム・演出

結婚式の余興の意味は?余興のマナーとワザを伝授

結婚式の余興が大受けするか、ドン引きされるか……同じ余興なのに、どうしてこうリアクションが違うのでしょう? しっかりとマナーやコツを学んで受ける余興をゲストに疲労しませんか?余興を頼む新郎新婦も、頼まれる同僚・友人の皆さんも気になるはず。

清水 恩

執筆者:清水 恩

結婚ガイド

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ゲストに受ける余興のアイデアは?

結婚式の余興はゲストのみなさんが楽しめるものが目標です

結婚式の余興はゲストのみなさんが楽しめるものが目標です

皆さんも自分が招待された結婚式で様々な余興をご覧になっていると思います。余興をする場合は、ゲストに受けるかどうかがとにかく気になりますよね。

ウェディングの現場に立ち会っていると、頑張りすぎて空回りしてしまっている方々も時々見かけるのですが……受ける余興って、どんなものなのか、考えてみましょう。

こういう余興はドン引き

「よい余興」とはつまり、その場にいる全員に受けるもの。ゲスト全員が楽しめる内容です。ウェディングプランナーとして披露宴の場にいると、余興が受けているか否かが肌で感じられます。せっかく頼まれて人前に出るわけですから、楽しんでもらえる余興を考えませんか? ビデオにもしっかり記録されるわけですから。

では具体的に、どんな余興が引かれてしまうのかを検証しましょう。今までに見た余興の中に、思い当たるものがありませんか?

■内輪受け

友人や同僚が、仲間内のネタを披露する余興は多いのですが、誰もが楽しめるものとそうでないものにはっきり分かれます。その仲間内にしか分からない内容では、それ以外のゲストがリアクションに困ってしまいます。何かしらみんなが共感できる内容を盛り込むべき。

■練習不足
歌やダンスをグループで披露するケースもよく見かけます。内容がどんなに趣向を凝らしたものであっても、練習不足ではゲストも苦笑するしかなくなってしまいます。ここ、笑っていいのかな? と思わせてしまうような間合いでは、やっている方も見ている方も、だんだん辛くなる……。

■長い、しつこい
一生懸命やっているからしっかり見なきゃとは思うけれど、これ、まだ続くの~?と思わず思ってしまうような長い余興。最初のうちは笑えたけれど、何度も繰り返されてうんざりしてしまう、しつこい余興。ちょっと受けが悪いからリベンジでもう1回! という気持ちは分かりますが、程々で適当な長さで収めるのがいいのです。

■過剰な下ネタ
ある意味、結婚式に下ネタはつきものですが、こういう席でそこまで言っちゃう? というくらいの、過剰・過激なもの。笑いを通り越して顔が引きつってしまうような、度の過ぎた下ネタはちょっと。親しい関係ならではの下ネタは言わば「猛毒」、取り扱いには要注意!

受ける余興の方程式

では、よい余興とはどういうものでしょう? 毒も使い方に気をつければ薬になります。上の「引く余興」の例を「受ける余興」に変える対策を練ってみましょう。

■ゲストみんなに受ける対策
結婚式のゲストは、年齢も性別も新郎新婦との関係も多岐に渡ります。共通点はただ一つ、「新郎新婦と何かしらの関係がある」ということだけ。親族や上司など、世代が異なる人も多い披露宴。そんな中で全員に受ける余興を! というのは、実は考えれば考えるほど難しい……。

内輪にしかわからないから内輪受け。だったら、みんながわかるような工夫をすればいいのです。内容を理解するのに必要な前情報を盛り込む、写真や映像を使ったものにするなどしてみましょう。

特に写真や映像は、ウェディング会場でも上映設備があるのはほぼ当たり前になり、取り入れやすくなっています。何よりビジュアルで見せるというのは言葉だけよりもわかりやすい。編集も手軽にできるようになっていますし、余興の完成度もより高く見えますよ。

■適度な下ネタ対策
普通の大人なら理解でき、笑ってくれるのが下ネタ。全くダメというわけではありません。ただ、ネタは選ぶべき。特に過去の暴露ネタや新婦絡みのネタはNGです。相手側の家族や親族の心象を害する恐れがあります。

OKな下ネタのポイントは、女性や親世代にも受け入れられること。年齢、性別を越えて理解される程度の下ネタに留めるようにしましょう。笑うところだと分かっても、周りの目を気にして笑うに笑えない女性や、酔いも手伝ってネタに大きく反応してしまい、白い目で見られてしまっているオジサマなどをよく見かけます。余興をする側も見る側も、品よく笑える、可愛げのある程度のものがよいのでは?

■練習ばっちり! 対策
とにかく練習して! としか言えないところですが、時間も限られる余興練習。ポイントを押さえるとぐっと完成度の高いものに見えるはずですよ。

上手く見えるコツは、ここぞというところでしっかり見せることです。オープニング、エンディングだけは振りをきっちり揃える、サビだけはしっかり歌えるようにする、など。

■すっきりまとめる対策
余興に使える時間は一般的に5~10分程度。事前にある程度流れを作っておくことはもちろんのこと、ポイントを絞った構成に。すっきり、かつ強烈にメッセージを伝えるには、以下のようなルールで組み立てるのが効果的。グループで歌を歌う余興の場合を例に組み立ててみましょう。

(1)代表者からお祝いの言葉、グループの紹介
(2)曲目と選曲の理由を説明
(3)歌
(4)締めの挨拶

同じ歌の余興でも、NGパターンにするとこんな感じです。

(1)お祝いの言葉、グループの紹介
(2)歌
(3)一人ひとりから順番にメッセージ
(4)プレゼントを渡す
(5)締めの挨拶

思いの深さはよくわかりますが、しつこく感じませんか? なぜなら、ポイントがあり過ぎるから。プレゼントはともかく、一人ずつメッセージを述べることで、メインである歌がぼやけて見えるのです。時間もかなり長くなってしまいます。この余興のメインは歌、歌が新郎新婦への最大のメッセージ。歌に全てを込める! と考えてポイントを絞るとすっきりとまとまるのです。歌に気合いを注入すれば、ちゃんと思いは伝わるのでご安心を。

新郎新婦と他のゲストのことを考えよう

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結果として新郎新婦を引き立てる内容になるような配慮をしたいもの

余興とは、同僚や友人を通して新郎新婦のパーソナリティが見えるもの。特に相手方のゲストは、仲のいい友人や同僚を見て、初対面の新郎または新婦の人柄を想像します。

余興を楽しく披露することや、余興によって二人の普段の様子がゲストに伝わるのはとてもいいことですが、度が過ぎると新郎新婦の評判を落とす結果になってしまうこともあります。

他のゲストも楽しめるように配慮して、受ける余興をすることは、結果として新郎新婦の株を上げることにもつながります。また、新郎新婦に絡む内容にするなら、これが新郎新婦のいいところだ、と思う部分をクローズアップする、クイズやゲームなら必ず新郎新婦が正解や成功するものにするなど、お祝いの席ですから、新郎新婦をイジるのではなく持ち上げる方向性で考えましょう。

会社や友人間で「伝統」になっている余興もいろいろ見てきましたが、よくまとまっているなあと毎回感心するのは、客室乗務員の方たちの定番余興である「寿アナウンス」。笑いあり、ロマンあり、そしてちょっぴり下ネタあり……目にする機会があれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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