熟成させて美味しいのは何もワインだけではない。
日本酒も最近では古酒=長期熟成酒人気にじんわり火がついてきた。
しかし、22年も前から長期熟成酒に注目していたという、超先見の明ありの団体があった。
「長期熟成酒勉強グループ・長期熟成酒研究会」だ。
この、まじめな印象の団体名どおり、実にまじめな勉強会が、先日東京有楽町で開かれ、私もまじめに参加してきた。
「自家熟成酒」とは?
 審査は厳正だ |
興味があったのは、「自家熟成酒」のきき酒&ランキング結果だ。
「自家熟成酒」とは、お酒屋さんが独自に熟成させたお酒のこと。出品条件は、満5年以上経過したお酒で、720ml以上、未開栓の清酒。
これを、プロのきき酒審査員=【きき酒認定制度有段者】(・・・むむむ、これはどんな制度なんだろう)が、どれだけ調和がとれているか、どれだけ美味しくなっているかを審査し、さらに、当日参加の会員のきき酒アンケート結果を合算し、いいものを発表するというもの。
つまり、蔵元で熟成・・・ではなく、蔵から出た後の段階で熟成させたお酒が、どれだけ美味しくなっているか、どの銘柄が美味しいかをみる審査ということだ。
これ、結構興味ありません?
 きき酒には集中力もいる |
蔵の中では最良の条件で保存されるけれど、蔵から出たものは、なかなか条件も整わず、厳しい環境の中に置かれたり、もしくはほったらかし、ということがままある。残念ながらお酒屋さんの店頭でも、だ。
もちろん、今回の出品酒は、熟成酒に力を入れている熟成のプロの方々の持ち物だし、こういう審査に出そうというお酒だから、最悪の環境ではないだろうが、でも、蔵を出たあと何年もたったお酒が果たして美味しいのかどうかは、実に興味のあるところ。
で、さらにこの日、もう一つの審査会、「我が家の発掘酒」も行なわれていた。
こちらは、なんと、ずぶの素人さんがおうちに置いておいたお酒を出品するというもの。いやまさに、ほったらかしのお酒。はは~、すごい審査ではないかい。ふふふふっ、こちらも興味があるでしょう。この結果は後半に。
注目の「自家熟成酒」ランキング結果は?
まずは、「自家熟成酒」の審査結果は以下のとおり。《》内は出展酒店。(全27アイテム)
(注:入賞選出のみで順位表示はなし)
●低温熟成・吟醸タイプ
『
浦霞 純米吟醸 山田錦 1997年』《神奈川県 地酒やたけくま酒店》
『
能沢酒造 曙光 9年もの』《福岡県 (株)カネダイ》
 力強い文字のラベルはおなじみだ。(=左) 細かい説明が書かれているラベルも最近の流行。(=右) |
●常温熟成・吟醸タイプ
『
加茂鶴 特製ゴールド S59年』《奈良県 (有)アオバ》
『
亀の井酒造 花雪草紙 H3年』《福岡県 ひらしま酒店》
『
諏訪泉 鵬 1996年』《東京都 さかや栗原町田店》
 賀茂鶴の熟成酒で入賞を果たした(有)アオバの名手さん。 |
●濃醇タイプ
『
達磨正宗 Shigeri2-01』《栃木県 (有)澤田屋酒店》
『
黒松高砂 本仕込み 21年もの』《奈良県 (有)アオバ》
『
南部美人 寝越庵 2002年』《神奈川県 (有)亀井》
 日本酒もヴィンテージ入りが増えた。(=左) 「しげり」と読む。ソムリエ田崎氏とのコラボレーション。(=右) |
 「ネゴシアン」と読む(と思う)。フランス語 でワインのブレンダーのこと。 |
さて、いかがだろう。
熟成酒で有名な銘柄もあるが、意外に意外な銘柄もある。さらに、常温(15℃から20℃程度)でも美味しい結果になっているのがおもしろい。これはもともとのお酒の良さなのか、熟成状態の良さなのか・・・。
日本酒は低温で、暗いところで、ああで、こうで・・・となかなか面倒な保存を定義づけられているが、意外といい熟成を経るものあるんだなあと、あらためて感じた次第。
 華やかなラベルはお祝い向きかな。 |