西日本グルメ/奈良グルメ

イ・ルンガ(奈良)

今年、元「ラ・グラディスカ」の堀江シェフが奈良にオープンさせたリストランテ「イ・ルンガ」。奈良のテロワールを活かした郷土イタリアンの一軒で、地元の食材を使った「都イタリアン料理」の数々は特筆物です。

執筆者:麻生 玲央

奈良のテロワール

鹿。
奈良と言えば鹿。公園内にいっぱいいます。
注) 「リストランテ イ・ルンガ」は2018年8月27日で現在の場所での営業を終了し、来年の春頃に移転オープンされる予定とのことです。当記事は移転前の過去記事となります。新しい移転先などの情報は「リストランテ イ・ルンガ」の公式サイト等々で発表されると思いますので、そちらを御覧くださいませ。

奈良と京都、どちらもその文化財が世界遺産に登録された古都に違いありませんが、奈良駅に降り立ち、奈良公園の中を東に向かって歩いて行くにつれ、奈良のほうがずっと広大な自然に恵まれていることに気付かされて、密かな感動を覚えます。

特に印象的なのが、やはり奈良公園。公園といっても東端の春日大社本殿のほうまで、まったく塀や仕切りがありません。500ヘクタール(東京ドームの100倍以上!)の広大な敷地の至る所に、野生の鹿がサファリのごとく自由を満喫しているのを見ていると、日本の都市というよりも、イタリアの中世に栄えた地方都市の名残を彷彿とさせるのです。
 
イ・ルンガ
「イ・ルンガ」の外観。場所は奈良公園すぐ側にあります。
そんな歴史ある奈良公園のすぐ近くに、今年オープンした話題のリストランテが、今回ご紹介する「i-lunga(イ・ルンガ)」。向かいは国立奈良博物館というメインストリート沿いのレストランは、どう見てもイタリアンレストランとは思えぬ文化財級のお屋敷。ここは東大寺の修復などを手がけていた江戸時代からの宮大工さんの家であったそうです。
 
i-lunga
武家屋敷は見事な平屋建て。
表戸を入ると左手に立派なお庭が迎えてくれますが、玄関を上がった奥にも広い中庭があり、メイン・ダイニングと6畳の茶室がこの中庭に面しています。
 
シェフ。
オーナーシェフの堀江 純一郎さん
オーナーシェフの堀江純一郎さんは、イタリアで計8年の長きに渡って修行され、ピエモンテ州のリストランテ「ピステルナ」ではシェフとして2003年イタリア版ミシュランで1ツ星を獲得。そして帰国後に、東京西麻布の「ラ・グラディスカ」をオープンされましたが、2009年に奈良公園のど真ん中にある旧家と出会われたことをキッカケに、東京から奈良へとその活躍の場を移されました。

ビルの中ではなく、この雄大な雰囲気の中で美味イタリアンが食べられるのですから、既にシェフの料理の虜になっていた全国からの奈良詣で客が、一段と活発になったのは言うまでもありません。
 
店内。 イルンガ
   
そして、堀江シェフが奈良に移転を決めたもう一つの理由は、特に野菜についての「フード・マイレージ」の短さ。奈良には「大和野菜21品目」がありますが、そのほとんどが、個人農家が自分達のためだけに作っている野菜なのです。その採れたてを新鮮なうちに分けてもらって、すぐに料理に使えるというメリットは、東京では望むべくもないとおっしゃいます。
 
内装。 個室。
個室は2部屋あります。 歴史が感じられる茶室(個室)。
尚、店名の「イ・ルンガi‐lunga」とは、ご自分の名前の頭文字「J」(イルンゴ)、「斑鳩」、「lungo(長い)」など、沢山の意味を込めてつけられたとのこと。深いですね。
 
庭園。 庭園2。
庭園を眺めながらの食事は、日本家屋ならではの魅力。 しっかりと手入れされた庭園。

《CONTENTS》
●「イ・ルンガ」について(1P目)
●アミューズ・前菜(2P目)
●パスタ・メイン料理(3P目)
●デザート各種。(4P目)
●「イ・ルンガ」の魅力(5P目)
 
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