大阪グルメ/大阪のフレンチ

レストラン マルメゾン(2ページ目)

大阪キタエリアの夜景を一望できるホテルレストラン「マルメゾン」。ハレの日にピッタリな非日常かつ優雅な一時が味わえる、まさに「天空の指定席」です。

執筆者:麻生 玲央


上品で繊細な料理達

では、スペシャルディナー13,000円(15,015円)の御紹介。

アミューズ
白子のムース。
まずは軽ろやかな季節の一品から。

アミューズは白子のムースにオレンジソースを乗せた一品。ほのかな甘味と淡い酸が白子と絡み合い、爽やかなで軽やかな調和を奏でています。


テリーヌ。
前菜は見た目も鮮やかなテリーヌ。
・「甲殻類風味蟹とポワロー葱、ラール・フュメのエテュヴェ、ブルターニュ産雛鶏胸肉のアニスの香りのテリーヌ仕立て、軽い燻製風味キュイスとカリフラワーの柔らかなクレーム添え」

蟹や雛鶏胸肉の柔らかなベースに、ポワロー葱、ラール・フュメ(ベーコン)の食感が絡み合い、調和の取れた軽やかな素材の香りが鼻腔を抜けていき、その後にアニス香が静かに追いかけてくる、そんな複雑かつ上品な仕上がり。

一皿の上で、シェフが厳選した素材と、非凡なアイデアを一つ一つ丁寧に詰め込んだかの如く、密度の高い料理となっており、それは食べ手を酩酊させるほど、艶やかに上手くまとまっているのが、素晴らしい。


スープ。
活鮟鱇の弾力ある食感が、鮮度の高さを伺わせます。
・「活鮟鱇と活帆立貝の地中海風海の幸のエッセンス・プティ・ブイヨテ、彩色野菜のエテュヴェハーブの香りとブラックオリーブ・グロザンヌAOCエクストラ・バージン・オリーブオイルの芳香」

海の幸を使った高純度なエキスが染み込んだ鮟鱇や帆立などの海の食材が、細切りにしたアンディーヴと豊潤なオリーブオイルの芳香が混ざり合い、華やかな風味を演出しています。また、活鮟鱇らしいプリプリッとした歯応えが、噛むほどに凝縮した旨味を放ち、その鮮度と質の高さも申し分なし。


肉料理。
食べるのが愉しくなるような盛り付けと深い味わい。
・「仔羊鞍下肉のポワレ・トリュッフの芳香パネ 赤葡萄酒ソース、ジゴとリー・ダニョ-、丸麦のリゾット仕立て<マリー・テレーズ>」

肉がメインのはずなのですが、付け合わせ料理のクオリティがあまりに高いため、まるでメイン料理の盛り合わせとも言える贅沢な内容となっています。こういった一皿、または多皿で少しずつたくさん食べられる構成は、女性はかなり好きだと思いますので、そういう意味では、「マルメゾン」の料理は、女性向きかもしれませんね。優しく、気品があり、それでいて美学に溢れた奥の深い料理世界。ホテルのレストランにしては珍しく、徹底したこだわりと上品で超繊細な味付けに、シェフの非凡な才気とセンスを強く感じます。

仔羊鞍下肉のポワレは鋭角的な味わいのワインソースにトリュッフ薫が混ざり合い、とてもリッチで綺麗なアフターの残る一品。また、クスクスのような丸麦のリゾットは単体でも美味しいですが、先のポワレと合わせて食べると一層味わいが際立ちますね。さらにジャガ芋のムースはクリームを多量に使っているからだと思いますが、とても滑らかな舌触りで雑味のないスッキリとした風味。全体的にボリュームがありそうに見えても、実際には軽い食後感なのも嬉しいところ。


・「薔薇の香り活オマール海老のアントルメ仕立て/シャンパーニュ・スプーム、トマトのコンフィテュール/アスペルジュ・ヴェルトのビスキュイトランペットズッキー二のクレムー・アーモンド風味」
続いて今回は肉料理の後に魚料理がもう一品。オマール海老を使ったタルト料理です。オマール海老の甘さ、そしてアスパラを使ったビスキュイが味に輪郭と深みを与え、ザックリとした食感がオマールの弾力の高さと渾然化し、グレード感のある味音を奏でます。

これだけストラクチャーにブレが感じられない精度の高い料理をフルコースで出してくるのも本当に凄いことですが、さらにオマール海老に薔薇の香り付けをするところなど、なんとも粋な演出です。

次ページでは、いよいよ甘くとろけるワゴンデセールの登場です。
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