「セックスで綺麗になる」の真実と嘘■前編(3ページ目)

セックスできれいになるという刷り込み

セックスできれいになる。名コピーだけど、思いの外、女の呪縛に？

30女が「彼氏がいないとヤバイ」「男と寝ていない女はヤバイ」と妙な思い込みが刷り込まれてしまった大きな原因はきっとアレだ。10数年前に、大流行していた女性誌『anan』の「セックスできれいになる」という、あの企画の、あのキャッチコピーだと思う。

当時、10代だった私は、そうとうな衝撃を受けた。今、30代の女なら記憶にあるはずだ。あの鮮烈なインパクトの言葉を浴びて、まだ10代でグラグラしていた価値観が地殻変動を起こしたことを。

もちろん、あの企画だって、「常に恋して、たくさんセックスすれば、キレイになる」なんていう短絡的なモノではなかったはずだし、あの記事から20年近くもの時間にいくつかの恋愛をして、トラウマや淋しさを乗り越えてきた。30女は、「セックスできれいになる」という言葉の表も裏も虚実もわかっているはずだ。でも、わかっていながら、単純な言葉の響きだけが思いの外、脳を奥深くまで浸透しているのだと思う。すぐ寝てしまう女も、寝れない女も心の奥では自分を憂いてしまう。