暮らしの歳時記/冬の行事・楽しみ方(12~2月)

雪の名前と異称、冬の風情を楽しむ雪の表現・名称と意味100選

雪の名前・呼び名・表現を100選ご紹介。雪には「なごり雪」「風花」「垂り雪」など様々な異称があり、「こんこん」「はらはら」などの表現もあります。その豊かな感性に触れ、冬の風情をもっと楽しんでみましょう。言葉ひとつで雪の世界が広ります。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

雪の名前・異称・表現100選

雪の表現は多彩。言葉ひとつで雪の世界が広がります

雪の表現は多彩。言葉ひとつで雪の世界が広がります

四季折々の美しさを【雪月花】というように、雪には独特の魅力があり、それを表す言葉もたくさん生まれました。その豊かな感性にふれ、冬の風情をもっと楽しんでみませんか? 言葉ひとつで雪の世界が広ります。
<目次>

降る時期による名前・表現

もう初雪は降りましたか?

もう初雪は降りましたか?

雪は冬の使者。例年よりも【初雪】が早く降れば【早雪(そうせつ)】と呼ばれ、山々に【初冠雪】をもたらします。

やがて冬を越し、その年最後の【終雪(しゅうせつ)】となり、【雪の別れ】【雪の果て】【雪の名残】【雪消し雪】【涅槃雪】と呼ばれて冬に別れを告げます。歌で有名な【名残雪(なごりゆき)】は、まるで名残を惜しむかのように春近くに降る雪のこと。振り返ればあれが最後だったと思うような、その年最後の雪でもあります。

また、春になっても残る雪を【残雪】【去年の雪(こぞのゆき)】と呼び、とけずに残る【根雪】や、年中とけない【万年雪】もあります。

さらに、降る時期による名前にはこのようなものがあります。

【秋の雪/秋雪(しゅうせつ)
秋に降る雪。

【冬の雪】
冬に降る雪。

【春の雪/春雪(しゅんせつ)
春に降る雪。

八日吹き
12月8日に降る雪。

【三白(さんぱく)
正月三が日に降る雪。

臘雪(ろうせつ)】
旧暦12月に降る雪。

【太平雪(たびらゆき)
春に降る薄くて大きな雪。

雲雀殺(ひばりころし)】
春になってヒバリがさえずるようになってから振る大雪。

降る雪の名前・表現

雪化粧した町はまるで別世界

「銀花」におおわれ「雪化粧」した町はまるで別世界。雪の名前や表現を知ると雪を見る目が変わります

手に触れればすぐにとけてしまう雪ですが、その様子から様々な名前がついています。

【白雪】【雪花(せっか)】【深雪(みゆき)】【銀花(ぎんか)】
雪の美称。

六花(りっか/ろっか/むつのはな)】【六つの花】【六出(りくしゅつ】【六出花(りくしゅっか)】
六角形の雪の結晶からくる雪の別名。

不香の花(ふきょうのはな)】
香りのない花という意味の雪の別称。

風花(かざはな)】
風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪のこと。

【瑞雪】
めでたいとき、めでたい予感がする雪のこと。

慕雪(ぼせつ)】
夕暮れに降る雪のこと。

【細雪(ささめゆき)】 
細やかに降る雪のこと。

霧雪(きりゆき)】
霧状の細かい雪のこと。

【粉雪】【小米雪(こごめゆき)】
粉のように細やかな雪のこと。パウダースノー。

【灰雪】
灰のようにふわふわ舞う雪のこと。

【泡雪】【沫雪(あわゆき)】 
泡のようにとけやすい雪のこと。

【淡雪(あわゆき)】 
うっすらと積もる、とけやすい雪のこと。

【乾雪】
水分の少ないさらっとした雪のこと。

【玉雪】
比較的暖かい時期に降る、玉の形をした雪のこと。

【綿雪】【牡丹雪】【花びら雪】
雪片(せっぺん。ひとひらの雪をさす)の大きな雪のこと。

【餅雪】
玉雪や綿雪がややとけている状態の雪のこと。

【べた雪】【濡れ雪】【湿雪】
餅雪よりも水分の多い雪のこと。

【水雪】
べた雪と雨の中間。

【氷雪】
氷化した雪のこと。

【にわか雪】
一時的に降ってすぐに止む雪のこと。

小雪(こゆき)】【微雪(びせつ)】
少しだけ降る雪のこと。

斑雪(まだらゆき/はだれゆき)】
まばらに降る雪のこと。

回雪(かいせつ)】
回るように降る雪のこと。

【大雪(おおゆき)
勢いのある雪のこと。

【豪雪】
強力な勢いのある雪。

【吹雪】
風が激しく吹いて乱れ降る雪。

白魔(はくま)】
恐ろしい被害をもたらす大雪のこと。

(みぞれ)】
雪と雨が混じったもの。

(あられ)】
積乱雲から降る直径5mm未満の氷粒。

(ひょう)】
積乱雲から降る直径5mm以上の氷粒。・

積もる雪の名前・表現

雪明かりのなか、街燈にも綿帽子

「雪明かり」のなか、街燈にも「綿帽子」


降り積もった雪の様子にも、色々な表現があります。

【銀世界】【銀雪】【雪化粧】
積雪した様子。

【新雪】
積もったばかりの雪のこと。

薄雪(うすゆき)】
うっすらと積もった雪のこと。

【衾雪(ふすまゆき)
一面に降り積もった雪のこと。

深雪(しんせつ)】
深く積もった雪のこと。

大雪(おおゆき)】
大量に積もった雪のこと。

【冠雪(かんせつ)
山や物の上にかぶさった雪。

締り雪(しまりゆき)】
積もってから数日経ち、締まって固くなった雪のこと。

【粗目雪(ざらめゆき)】 
とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪。

【どか雪】
一時に大量に降り積もること。

宿雪(しゅくゆき)】
とけずに残っている雪

万年雪
高山などで年中とけない雪のこと。

【雪明かり】
積雪で薄明るくなる様子。

【雪持ち】
雪が枝や葉に積もっている様子。

【綿帽子】
樹木などに積もった雪の様子。

【松の雪】
松の枝葉に積もった雪。

撓雪(しおりゆき)】
降り積もって木や枝をたゆませる雪。

【垂り雪(しずりゆき)】 
枝や屋根などから落ちる雪。

友待つ雪
次の雪が降るまでとけずに残っている雪。

【吹き溜まり】
風に吹かれて積もった雪。

里雪
里に降る雪。

山雪
山に降る雪。

雪崩(なだれ)】
積もった雪が崩れること。

 

雪の降り方を表す言葉

「どさっ」……静寂のなか「垂り雪」の音が際立ちます

「どさっ」……静寂のなか「垂り雪」の音が際立ちます

こうして雪の名前をみているだけでもその情景が浮かんできますが、雪の降り方を表す言葉も多彩です。

【こんこん】
雪が絶え間なく降る様子。

【しんしん】
雪が静かに降る様子。

ちらちら】
雪がひるがえりながら降る様子。

【はらはら】
雪が軽やかに降る様子。

ふわり】【ふわっ】
雪が空中に漂う様子。

【どさっ】
木の枝や屋根から落ちる雪の様子。

綿々(めんめん)】
長く降り続いている様子。

霏霏(ひひ)】
絶え間なく降り続く様子。

蕭蕭(しょうしょう)】
もの寂しげに降っている様子。

雪の名前や表現を知ることで、味わい深い冬になりそうです。

※参考文献『日本語使いさばき辞典』(あすとろ出版)

雪の異称に関してよくある質問

Q. 仏教用語での雪の異称は?

A. 仏教用語での雪の異称は、「天花(てんか)」もしくは「天華(てんげ/てんけ)」です。仏教では雪を花と捉え、天上界に咲く美しい花という意味を込めて「天花」「天華」と呼ばれます。

Q. 雪の異称である「むつのはな」「六花」の由来は?

A. 雪の異称である「六つの花」「六花(りっか/ろっか/むつのはな)」は、雪の結晶が6弁の花のように六角形に結晶することに由来します。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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