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ウイスキー&バー/ウイスキー、おススメのこの一瓶

初心者にすすめる、一瓶。第5回 ウイスキーのダシの歴史2

「グレーンウイスキーはウイスキーにあらず」の裁判をつづけながら、19世紀末、ブレンデッドは世界の酒となっていった。『ダシの歴史』の最後は、その19世紀末の話をしよう。ブレンデッド万歳。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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『ダシの歴史1』のつづき。申し訳ないが、忘れられた方は4月15日の記事を再度お読みになっていただきたい。では早速。

モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドする、ブレンデッドウイスキーが誕生したのが1860年。だが連続式蒸溜機が発明され、原料も麦芽を20%ぐらいしか使わず、とうもろこしを主原料とし、このほか小麦、ライ麦、未発芽大麦なども使って効率的な方式でつくられたグレーンウイスキーに対して訴訟が起こっている。
味も軽やかで低コストのグレーンウイスキーの出現で、スコットランドはハイランド地方のモルトウイスキー業者は生活をおびやかされる。「グレーンウイスキーはウイスキーにあらず」の訴訟がつづき、それは半世紀にもおよび、「グレーンウイスキーはウイスキーである」との判決が下ったのは1909年、20世紀に入ってからのことだった。


この論争をよそに、19世紀末にはさまざまなブレンデッドウイスキーが世に出されている。いまもよく知られたブランドがいくつもある。
これまで何度か紹介したバランタインの前身も1870年代にブレンデッド事業に情熱を注いでいる。シーバスリーガルも同時代にはじまった。オールドパーも19世紀末にはじまっている。



論争をよそにといったが、ダシであるグレーンウイスキーが生まれ、ブレンデッドウイスキーが開発されたからこそウイスキーは世界の酒となった。
それまで香り豊かだが個性の強すぎるモルトウイスキーはスコットランドの地酒でしかなかった。香り高くまろやかなブレンデッドは世界中の多くの人たちの嗜好に合い、どんどん輸出されるようになり、スコッチといえばブレンデッドということになる。
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