文章:井上 明(All About「そば」旧ガイド)
いざ、醤油のふるさとへ!
銚子は、そもそも和歌山県の湯浅で開発された旨味の濃い醤油を関東で生産するために選ばれた戦略拠点だ。原料の塩を調達する太平洋の船便、利根川をはじめとする河川ネットワークを駆使した原料小麦の調達、そして最大の販路である江戸に向けた物流ルートも河川が担っていた。加えて適度な熟成を促す温暖な気候。まさしく銚子は醤油に選ばれた町なのである。駅に降り立てば、そこはかとなくただよう香ばしい醤油のかおり。本日は東京のそば店のデファクトスタンダードと言える「ヒゲタ醤油」の工場に突入して、味の秘密に迫ってみる。

年季の入った工場は、こう見えても耐震対策が行き届き、頑丈な造りにうまれ変わったのだそうだ。ちかごろの東京の、味気ない新建築ばかり目に入る暮らしをしていると、こういう建造物は見ているだけでもほっとする。

見学者は、帽子と白衣に身を包んで、清潔ないでたちで構内に入場する。麹という微生物の働きを観察にいくわけで、ちょっと、ミクロの決死圈みたいだ。
それでは、いざ内部へと、突入しよう!