文章:井上 明(All About「そば」旧ガイド)
そば屋は、訪れる人を元気にしてくれる存在でありたいものだ

何か美味しいモノがたべたくなって、飲食店の扉をくぐる。単に空腹を満たすために立ち寄ることもあるだろうし、ちょっと疲れてしまったので、美味しいモノで元気を取り戻すために立ち寄ることもあるだろう。
素晴らしい飲食店とは、メニューとして提供される品々が美味しいことは当然として、訪れるお客様元気にしてくれる魅力があるものだ。
この秋、雫石の国道沿いにオープンした凛庵(りんあん)も、おいしい元気をサービスしてくれるお店の一つといえる。
店長の藤原幸子さんは、いつも笑顔を絶やさない素敵な人。優しく理知的なご主人様(右)が副店長となって、婦夫(!)で36席もの店をキリモリする。

この道路は、盛岡から田沢湖を経由して秋田方面に抜けていく交通の要所。そういうこともあって、開店初日から100名を越えるお客様が殺到した。
街道沿いには、すでに何軒ものそば屋さんがオープンしてシノギを削っているというのに、後発にしてこの成績は、素晴らしい。
実は、繁盛の背景にはちょっとしたヒミツが
ご夫婦は、つい昨年まで大企業に共働きで勤務していた。思うところがあっての転進である。実は、退職時点では蕎麦を始めるつもりではなかったという。全く他の業態を検討していて、契約直前というところまでいったが、いろいろな事柄を検討して、家族がゆったりと暮らせるもっと他の業種はないものかと思うに至ったという。その挙げ句に出た結論がそば屋であった。

そうと決まれば、この二人の行動は一直線に繁盛経営に向かった。店長の幸子さんが築地そばアカデミーに入学、東京のそばのスタイルを学んで、地元のそば店とはひと味ちがったメニューを展開することにした。
ブログや宣伝を担当する副店長は、大企業在籍中から手慣れたパソコンで情報をとりまとめ、開店前からチラシ等を配布して人気をもりあげた。
もともと料理が得意だった幸子店長は、新メニューを次々に開発してそばの魅力を引き出し、それが評判を呼んでお店が繁盛、という流れができあがっている。
大企業では、品質を管理するという重要な仕事を任せられたという二人。そのノウハウが、あますところなくお店造りに振り向けられている。
ゆとりある厨房内の動線、掃除のしやすさを追求した使い勝手のよい店舗。居心地のよさを保ちながら、無駄を省いた設計で初期投資を抑制。国民生活金融公庫から衛生貸付という飲食店向きの低金利の融資を受けることができ、そつのない事業計画のもと、順風満帆にスタートをきった店なのである。
こういうゆとりは、店長と副店長の笑顔に反映される。アルバイトを含むスタッフの立ち居振る舞いもきびきびしてくる。
前向きな姿勢が、さらに美味しい味を生み出す

たとえばこのメニュー。ヘルシーなめかぶがトッピングされた温かいそばに、天ぷらの盛り合わせがついて1,000円とは、嬉しいじゃありませんか。

整った麺線は、確かな腕前の証。岩手では珍しく、江戸前のきりっとしたそばを提供している。

女性らしい細やかな気配りを感じさせる盛りつけ。つゆと麺の相性も素晴らしく、最後に提供されるそば湯で、心の底から満足を味わえる。
お得な日替わりメニューもうれしい、気さくな「おそば屋さん」だ。
【凛庵(りんあん)】
■店名 凛庵(りんあん)
http://guidex.jp/guidex_shops/rinan/■住所 〒020-0503岩手県岩手郡雫石町七ツ森94-8
■電話 019-692-4688
■営業時間 11:00~15:00/17:00~21:00
(ラストオーダー20:30)
■定休日 木曜日
■駐車場有(7台駐車可)
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