時には極上のお茶を楽しむ

通天香単[木叢]
中国茶を長い間のみ続けていると、次第に飲むお茶が限定してくるような気がします。できればコストパフォーマンスのよい、品質の安定したお茶で、一定の量が確保できれば、年間を通じて好きなお茶を飲み続けることができます。
しかし、時々は、ちょっと違ったお茶も飲みたいし、知らないお茶にも手を出してみたい。贅沢なジレンマです。
定番のお茶以外にどうせ飲むなら、時には極上のお茶を飲んでみたいというのは、誰もが思うこと。もちろん、手が出る範囲というのが大原則ではありますが。
その手が出る範囲というのは、個人によって相当差があるのではないかと思いますが、年に一回、えいや!と覚悟をきめて購入できる範囲は、ガイドひらたの場合、25g 1万円が上限でしょうか。
もちろん、いろいろとあれこれ模索をした結論としてということになりますので、なかなか冒険はできません。しかも25g、5回~8回分程度でこれだけの値段を出すのですから、あれこれ迷ってしまいますね。
今年は、迷った挙句、通天香単[木叢](そうしゅつうてんこうたんそう)というお茶に手を出してみました。
鳳凰単[木叢]好きは、日本にも多くいると思いますが、やはり宋種単[木叢]は高価なので、なかなか手が出ませんが、それでも、これはというものに出会ったら、やはり飲んでみたくなるというもの。
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| 非常に香りの良いお茶です |
今回ガイドひらたが購入したお茶は、京都のお茶の専門店
ラ・メランジェの
通天香単[木叢](25g 9,450円)です。
広東省潮州潮安県の烏東山(ウートン山)の村から車が入らないところで育った300~400年の老[木叢]から作られた姜味香型の烏龍茶で、年間2Kgしか作れない貴重なお茶なのだそうです。実際に飲んでみると、茶の水色はとても透明でありながら、なぜか糖分が多そうなまったりとした口当たりのお茶。とにかく香りがよいのです。
その香りは、なんというか、あまくしとやかで、深みがありながら、いってみれば、ものすごい美人が通り過ぎて行ったような香りとでも表現したらよいでしょうか。いつまでも続く香りが本当に幸せな気分にしてくれます。極上とは、こういうお茶のことを言うんだなと思うのに十分な貫禄です。
時には、こういう極上の凛としたお茶を嗜むことが、人には必要なのではないかと思ってしまうお茶です。もちろん特別なお茶ですからそれなりの覚悟と用意をして楽しむことも必要かもしれません。
通天香の香りとは

透明度の高い水色
ご存知のとおり、鳳凰単[木叢]はとてもすばらしい香りのするお茶です。花茶のように茶葉に花の香りを着香したわけでなく、もともとの木が持つ個性と気候風土の自然の条件が重なり合ってさまざまな香りが製茶の過程で形成されるのです。
その鳳凰単[木叢]の中にあって、通天香は、本当に香りのよいお茶なのです。そもそも通天香という名前自体、「香気が天を衝く」というところからきているのだそうです。
蜜蘭香や黄枝香という鳳凰単叢のレギュラーメンバーとも違った独特の甘い香りは、本当に幸せになれる香りなのですが、一体この通天香って何なのだろうかと、このお茶を飲みながら思いました。
実はこのお茶、もともと「姜母香(きょうぼこう)」(あるいは姜母茶)とも呼ばれていたそうです。また、「姜花香」という名称もあったとか。つまり、「生姜の花の香り」ということになるのでしょうか。
生姜の花ってどんなの?と思っていたのですが、なかなかお目にかかれないものらしいです。こちらの画像が有るので、興味の有る方はご覧ください。
インターネット花図鑑
そんなところに、ラ・メランジェのオーナー、松宮さんからメールが届きました。
「私はこのお茶を飲んだとき、ふっと思い出した香りがあります。大好きな花の香りで、真っ白な「ジンジャーリリー」です。 香港に行くとよくお花屋さんで真っ白な綺麗でかぐわしい花が店先を飾っています。わたしは大変この花が好きで買って帰りホテルの部屋に飾ったりします。」とのことでした。
「
ジンジャーリリー」は、「しゃくしゅ」(縮砂、宿砂と書かれ、学名はHedychium coronariumです。)というショウガ科の植物です。
この花の香りに似ているというのは、インスピレーションとしてはとても面白いと思います。ショウガ科ということですので、どこかで香りの成分に共通点があるのかもしれません。
極上のお茶を飲みながら、そんな通天香の香りの秘密を様々な想像を働かせて探求してみるのも面白いことですね。皆さんも是非美味しいお茶を楽しんでください。
ラ・メランジェ
住所:京都市中京区烏丸二条下ルヒロセビル 5F
電話:075-211-9337/ FAX:075-211-9338
定休:毎週水曜日
営業:11:00~19:00
HP:
http://www.melangee.com/