中国茶/中国茶関連情報

白茶の香水 オ・パフメ オーテブラン

ホワイトティーという言葉の持つエスニックな雰囲気や不老不死伝説などをイメージして作られた「癒しの香水」です。

執筆者:平田 公一

1993年にグリーンティー(緑茶)と水に注目した香り "オ・パフメ オーテヴェール" を発表し香水の世界に進出したブルガリですが、2003年3月20日、オ・パフメ・シリーズに白茶(ホワイトティー)を使った、新しいスピリチュアルな香り "オ・パフメ オーテブラン" が日本で発売開始になりました。

■ 香水とお茶の香り
香水とお茶って、なんだかあまり関連性を感じないのですが、実は、お茶に含まれるカテキンやポリフェノールの効能が知られるにつれ、コスメ業界でも注目されている成分の一つになっています。特にお茶の香りのアロマ効果に注目したメーカーが、癒し系の香りやヒーリング効果を最大に引き出して、リラックスしたい時、疲れてる時にもうるさく感じない香りとして手掛けられているようで、非常にバリエーションに飛んだお茶の香りの香水が発売されています。

例えば、スペインのロエベが発売している「アグアデロエベ」は、セイロン茶、マテ茶を使用して柑橘系とあいまって、非常に爽やかな香りに仕上がっています。また、エリザベスアーデンの「グリーンティー」(左写真参照:Photo by Minaさん)は、緑茶をメインにレモン香もブレンドされているため、印象としてはレモンティーの香りという感じです。Comptoir Sud Pacifiqueの「テ(the)」もブラックティーの渋みが効いた大人向けの香りのする香水です。他にもH2O+やAZZARO CHROMEなどから「グリーンティー」の香水が発売されたりしています。

そんな中で、いままでなかったお茶の香水がブルガリから登場しました。


■ Eau Parfumee au the blanc(オ・パフメ オーテブラン)
ご存知ブルガリは1884年にイタリアで創業されたジュエラーですが、今や宝石、時計のみならず、バック、皮小物、スカーフ、ネクタイ、香水など現代のニーズにあった機能的かつ洗練された高品質の商品を生み出しています。そのブルガリが、1990年代初頭スイスにブルガリ・パルファム社を設立、1993年にはグリーンティーをベースにした初の香水「オ・パフメ」(左画像参照:Photo by Lizさん)を発売。さらに1996年5月には「オ・パフメ」の香りの濃縮度を高めたバージョン「エクストレーム」を発売し、香水の世界での地位を確固たるものにしました。

ブルガリは当初よりお茶の香りに注目していたようで、緑茶のほかに男性用の香水として発売された「ブルガリプールオム」ではダージリンティー、「ブルガリプールファム」では、ジャスミンティー、そして「ブルガリブラック」ではラプサンスーチョンの香りが使われています。

そして今回登場した「オ・パフメ オーテブラン」は、白茶(ホワイトティー)を使った新しいスピリチュアルな香りの香水です。

ブルガリのウエブサイトには、芳香の主成分である白茶について「昔からその抗酸化作用や再生特性、さらに心身の強壮剤としての効能などが注目され、中国の皇帝によって不老不死の秘薬として使用されてきました。現在でも毎年たった数日だけしか摘めない、希少価値の高いものとして珍重されています。」と説明がされています。

残念ながら、白茶が不老不死の薬として利用されたという話は探し出すことが出来ませんでしたが、お茶自体は古くから道教で不老不死の霊薬の重要な成分として利用されてきたことが書物に残されており、また、秦の始皇帝が探し求めた不老不死の仙薬の一つが蒙頂茶であったなどという伝説が残されていますので、茶と不老不死の秘薬との関係は思いのほか緊密であったに違いありません。更に、宋代のお茶好きな皇帝として有名な徽宗帝(1101~1124)は、「白茶」を滅多に手には入らぬ最高級のものとして絶賛しています。

現在白茶といわれるお茶は、19世紀になって福建省で栽培が開始された比較的歴史の浅いお茶です。白い産毛がびっしりと生えた質の良い白茶は、ヨーロッパでもシルバーニードルと呼ばれ非常に高価なお茶とされています。このお茶の香りというと、白茶を飲んだことのある方だと「淡い」とか「ほんのりと甘味のある乾燥した草」といったようなイメージを持たれると思います。実際、白茶は芽を中心に摘まれるため、香りの成分は希薄で淡いというのが事実です。おそらく、この香水も、ホワイトティーという言葉の持つエスニックな雰囲気や不老不死伝説などをイメージして作り上げられた香りといえるかもしれません。

この香水の香りについてプレスリリースでは、『トップに「ホワイトティー」と「アルテミシア リーフ」がブレンドされ、ミドルはその香りに「アベルモスク」や「ホワイトペッパー」が加わる。ラストは「アンバーグリース」と「ムスク」が控えめな官能性を呼び覚ます。』と説明されています。

白いテイスティングシートで香りを確かめてみると、ほんのりとウッディなノートを基調として繊細で軽くそれでいて爽やかな香りだと思いました。甘味もそんなにきつくないので、女性だけでなく男性も比較的親しみやすい香りに仕上がっていると思います。実際、私もお店のスタッフに「男性にもお使い頂けますよ。どうですか?」と勧められてしまいました。是非、香りそのももの爽やかさと、その香りによる心地よさを存分に愉しんでみてください。



 関連サイト
 AAJ forM
 http://allabout.co.jp/M/20020704/s/index3.htm
 @香水
 http://www.at-kousui.com/
 biena net
 http://www.biena.net/


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