パン屋さん取材レポート

更新日:2003年07月10日

新スタイルのパン店「VIRON」が渋谷にOPEN

VIRON(ヴィロン)はブラッスリーのあるフレンチスタイルのパン屋さん。フランス直輸入の粉を使用しています。パンや素敵な朝食の紹介、渋谷店の誕生と未来についての社長インタビューも。

VIRONを経営する株式会社ル・スティルの西川氏にお伺いしました。

清水: 店を始められたきっかけ、こだわり、今後の抱負や展望について教えてください。

西川氏: 私は昭和22年創業のパン屋に生まれた3代目です。
創業者も父親も私も、パン職人ではありませんがオンリーワンの美味しさを追求する姿勢は同じです。
そういう環境の中、品質競争ではなく価格競争の罠に陥っている状況の現在のパン業界を、品質を追求する業界にしたいとの思いもあり、パン食文化の中心であるフランスに3週間ほど滞在し、60軒以上のパン屋を巡り、今回のバゲットレトロドールに出会いました。
その美味しさに感動し、日本のバゲットとの違いに驚き、日本で多くの人に味わってもらいたいとの思いからVIRONをスタートさせました。

上質な本物を、というこだわりがあります。今後はまず、店をフランスそのままの食文化の発信拠点にすることを考えています。



清水: 業界紙を読んでいてよくわからないのです。
昨今の不況はパン業界にも影響しているとは思います。
でも、スター職人が登場するこの時代、作り手の顔の見えるパン、完全でなくとも無添加のパン、食事パンと呼ばれるパンを売る店は今、消費者に強い支持を得ていると思っていましたので、新聞にあるような危機的な状況を想像できませんでした。
コンビニエンスな袋パンが大きなシェアを占めることは存じておりますが、そのようなパン屋さんが今後消滅していく傾向にあるとは。


西川氏: パン業界については現在、1兆4千億円のマーケットがあり、そのうち約75%が約22社の大手製パンメーカーが製造販売するパンです。スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で売られるパンが大半であり、清水さんの言われる元気なリテイルベーカリーというのはごく僅かであり、残念ながら大半は袋パンとの競争に敗れていっているのが現状です。地方都市ほどその傾向が強いのは事実です。
だからこそ、VIRONのようなマーケットを創出し、本当に美味しいパンを職人の技術で表現できる場を作りたいのです。


パンを生業にしている人たちはもっと幸せにならなくては、 パンを誇らしく提供できる環境を作らなければ、と語る西川さん。
伝統の国の表面を真似るだけではなく、食文化を普及するのはとても大切なことだと思います。
そのために本質を伝えようとする店の姿勢に共感する顧客のみならず、パン業界の人々も温かい眼差しを注いでいることは間違いないようです。
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この記事の担当ガイド

写真

清水 美穂子

ブレッドジャーナリスト、フードコーディネーターなど、新聞、雑誌、書籍にて活動中。

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