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ベーグルは日本で居場所を見つけたか ベーグルブームその後

首都圏では定着した感のあるNY育ちのベーグル。独特な食感、ヘルシーさでかつてブームになりました。シンプルであきのこないパンは流行に関係なく根付いてほしいものです。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

すっかり日本にも定着した感のあるユダヤ生まれNY育ちのベーグル。 そのもちもちした独特の噛みごたえとドーナツのような可愛い形は若い世代を中心に人気です。 ノンファット、ノンコレステロールで、素材に乳製品や卵を使わないベーグルは 健康に気を使う人やアレルギーのある人にも受け入れられやすい、 ヘルシーなパンとしてブームになりました。 専門店は都心部を中心に少しずつ増加しているようですが、残念ながら顧客が定着せずに クローズしてしまう店舗もあるようです。 流行が去っても、こうしたシンプルであきのこないパンを売る店は 定番として日本でも存在していてほしいと思います。

海外から空輸された生地を焼けば本場の味を再現できる可能性も高いけれど、 値段もその分高くなります。本場を凌ぐおいしい製法の研究、開発が待たれます。
おいしいものを自国風にアレンジするのが得意な日本人の商売。 歯ごたえが柔らかいソフトベーグル(新宿高野のベーカリーにあるベーグルなど) 、菓子パンのようなベーグル(アンテンドゥのメロンベーグルなど)、もうすでに変わったアレンジのベーグルが生まれています。 いろいろなパンの記録 BREAD LUNCH  でもいくつか変わったベーグルを紹介しています。 NYのベーグルも最初のユダヤのベーグルとはきっと違うはず。 その土地に伝来してからはどんどん土地になじむように変化していくのものなのでしょうね。

ベーグルのファンならば、やはり正統派の歯ごたえあるベーグルを求めるでしょう。 わたし自身もNYらしいシンプルでもっちりしたベーグルが好きです。 H&Hベーグル(英文)は世界中にベーグルをデリバリーしている 老舗のベーグル専門店。 マンハッタンのアッパーウェストサイドにある小さな店で焼きたてのベーグルを買う勤め帰りの人々、 若者や主婦達の列に加わって並ぶと、きびきびした工場直売の風景をしばし楽しむことができます。 隣のユダヤ系スーパー、ゼイバースで薄く切ってもらったサーモン(英文)を クリームチーズと共に挟んで食すと、それはもう、炊きたての魚沼産コシヒカリに 高級な塩鮭をのせていただいているようなおいしさです。 このベーグル、値段は日本ではNYの約2.5~3倍となり、200円ほど。 BAGELS&MORE ESPRESSO BAR(フリーダイヤル0120-80-4822)で入手できます。 天王州シーフォートスクエアにある212(トゥーワントゥー)でも直輸入品が買えます。 NYへ行く時に是非おいしいベーグルを食べたいと思われるかたは NY CITY BAGEL MAP に地図とガイドがあります。

ベーグルチェーンでは国内でも手軽にNYの味が楽しめますが、遠距離に住んでいるのでしたら インターネットの宅配で買うという方法があります。 MACOUSなどがお勧めです。
また手作り派の方には、 「ベーグルマジック」(文化出版局)などのベーグル専門のレシピ本も出版されていますし、 まさにNYのベーグルを独自の製法を教えてくれるお教室もあります。 お教室についてはまたあらためてご紹介いたします。

ベーグルファンやビジネスに携わる人々によって、ベーグルは 静かに、けれど確実に日本のパンのなかに居場所を獲得しつつあるようです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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