フレンチ/東京のビストロ

ビストロモンペリエ(蔵前)

暑い夏の午後、その扉を開けると南仏はモンペリエの爽やかな空気が流れていた。ビストロの看板を超越する気品ある料理の数々に、私は驚きと和みが交差した気持ちになった。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
赤はビストロを象徴する色かも知れない

もともと蔵前はグルメな街?

蔵前というとまず浮かぶのが国技館。日本の国技である大相撲が開催されるところである。そして日本経済の根底を支えている伝統的問屋街。玩具や仏具など幅広い品目を扱う専門問屋が軒を連ねる。その合間には戦後の建物か、と思うような住宅もひっそりと佇む。

もともと蔵前という名は江戸時代に現在の隅田川沿いに幕府の米蔵(浅草御蔵)があったことに由来しているようだ。1621年に浅草御蔵前片町という地名で始めて蔵前の名が使われたが、片町とついているのは米蔵の片側だけに町が並んでいたからだそうだ。昭和に入り近隣の町を統合し浅草蔵前となり、戦後の成長期に現在の蔵前という地名に落ち着く。

無理やりではないが、程度良くこじつけると米蔵に由来する蔵前はまさにグルメの街。

そんな街に特徴ある二軒のフレンチがあることは以外に知られていない。今回はその一軒目、ビストロモンペリエをご紹介したい。

オーナーシェフの荒山浩行氏は有楽町の歴史ある名店アピシウスで長く腕を振るい、独立。気骨ある人柄と丁寧な仕事ぶりは今も健在のようだ。

フランス料理
メニューもお値段もかなり良心的だ
夏の暑い昼に予約なしで出かける。路面店とはいえ、一本路地を入るので、ご近所さんでない限り、地図を持たずにすんなり辿り着くのは難しいかもしれない。しかし、その前に立つとワインレッド色のエクステリアに心が驚くことに気づくはずだ。

「何かきっとおいしそうな予感」というやつか。
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