フレンチ関連情報

更新日:2006年07月11日

フレンチガイド、高原野菜を収穫する。

旨い野菜を求め、早朝の蓼科高原にひとっ走り。ポニーハウスサラダガーデンは農薬を使わない野菜にこだわり、手間隙かけて育て上げています。そこには自然の恵みを大切に扱う、素晴らしい人々の姿がありました。

フランス料理
さながら野菜博士のようなトムサトウ氏

蓼科の無農薬野菜

前回のガイド記事『ビストロカトリ』にご登場いただいた経営コンサルタントのトムサトウ氏は週末にまったく別の顔を持つ。彼は毎週金曜日の18時発特急あずさ29号で新宿から上諏訪に向かう。週末の『無農薬野菜栽培人』に変身するためだ。長野県は八ヶ岳山麓蓼科高原で農薬を一切使わずに100種類以上にものぼる野菜を育てているのだ。

知性溢れるご両親は10年前に関西から蓼科に移住し、やがて小さな畑を作り自分たちが食べたいと思う野菜を育て始めた。そして少しずつその耕作面積が広がり、口コミで評判が伝わり、近隣住民やレストランのシェフが直接買いに来るようになった。今や近隣の別荘地に居住する方々(アカデミックな職業に従事する方が多い)に畑を貸し出し、技術指導を実施するまでに至っている。

今回はトム氏からの誘いもあって、料理人を4人連れて八ヶ岳は蓼科高原にある『ポニーハウス サラダガーデン』を尋ねることになった。

フランス料理
食べるのがもったいないくらいの緑色のレタス
言うまでもなく野菜は早朝に収穫される。それに間に合うために夜明けに東京を出て、ひたすら中央高速を走り、朝7時に到着。畑に立ち、空気をすーっと吸い込む。緑の味が風に染み込み体に吸収されていくようだ。

突然子供の頃を思い出す。石狩川の堤防脇で祖父が畑仕事をしていた。トマトやピーマン、ニンジン、ナスなどを作っていて、土がついたまま持って帰ってきた。夕食はそれらが並び、子供たちはそれが当たり前の日常と感じていた。何気ない日々だったが今となっては光り輝く大切な大切な思い出だ。

トム氏は収穫にあたり、この畑を少しずつ育てていった経緯、そして下記のテーマに沿って実際に畑に立ち、さまざまなことを教えてくれる。幸せな野外授業とはこのことだろうか。

フランス料理
パセリの味わいも複雑さに溢れている
無農薬有機栽培とは
野菜とハーブの品種
収穫のシーズン
野菜やハーブの使い方

バジルといってもスウィートバジルのほか、紫バジルなど数種類、濃い緑と歯応えが特徴のカーボロネロ、味わいの濃いワイルドルッコラなどなど書いていくにはきりがない。レタスもいろんな種類がある。トム氏の話を聞きながら実際に野菜の葉をちぎって食べてみる。それは朝露で輝き、新鮮で味の輪郭がはっきりと感じられるものだ。

料理人達はプロの視点から素材の組み合わせや調理の仕方の注意点などをこまめに聞き出し、トム氏はすべての質問に的確な答えを返す。

フランス料理
プロの料理人もその味わいに驚きを隠せない
除草剤などの農薬を使うと、当然雑草は生えない。そして発育がとても早くなる。当然効率的な生産が可能となる。色が薄いが、その分瑞々しい野菜に育つが歯応えは軽く、軽い印象は否めないという。いわゆる一般的にスーパーに並ぶレタスなどがいい例かもしれない。

農薬を使わないと畑には雑草が生え、虫がたくさん生息するようになる。葉には虫がつき穴を開ける。特にキャベツは厄介な野菜だ。芋虫による虫食いが激しく、少し目を離すと葉は虫食いだらけ。トム氏の妹さんが「キャベツの虫を取るのがほんとにたいへん~」と笑いながら話す。

実際にトム氏の無農薬野菜畑と一般的な畑とを比べると一目瞭然だ。しかし、後者の畑の土の中には小さな農薬の粒が無数に散らばる。そして土壌に雑草はなく、蝶が舞うことも少ない。
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嶋 啓祐

フランス料理の楽しさを広めるため、レストランや食材、調理などの情報提供活動を行っています。

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