フレンチ/東京のレストラン

【閉店】ぎんきょう(目白)

2017年5月で閉店となりました。六本木ヒルズや汐留の人気店を楽しんだ次には、ゆったりと落ち着いた品のいい空間に出かけたい。「ぎんきょう」は優雅な時間の過ごし方を大人の私たちに気付かせてくれるに違いない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

今回は、これまで書いてきた六本木ヒルズや汐留とった話題のエリアではなく、目白の一軒家のレストランのご紹介。

目白というと学習院大学、田中真紀子邸位しか思い浮かばないのだが、なんとなく品のいい雰囲気が漂うところ、という印象が強い。隣は高田馬場の学生街と池袋という繁華街に囲まれているにも関わらず、目白通りから一歩踏み込むとお屋敷が並び、静かな佇まいを醸し出す。

今回ご紹介させていただくぎんきょうという名は庭にあった大きな銀杏の木から取ったようだ。白壁の細長いデザイン建築はそう目立つこともなく、周りの戸建やマンション群の中に自然に溶け込んでいる。目白通りとほぼ平行に走る小さな通りを散歩していたとしたら、その建物は「美術館かしら?」と思われるに違いない。

ぎんきょうの入口までのアプローチが楽しい。ワクワク。中はいったいどうなっているんだろうと想像してしまう。レセプションの横には小さいながらウエイティングコーナーもあり、その脇にはしっかりと管理されたワインセラーが見える。

玄関は家の顔と言うが、レストランもまた同じ。凛とした雰囲気が漂う。

インテリアに関しては写真をご覧いただいたほうがわかりやすいかもしれない。高く丸みを帯びた天井は広々とした空間を創り出し、アプローチの先に覗く庭と大きな銀杏の木は歴史と落ち着きを感じさせるものだ。

一番奥の正面には佐藤忠良作らしき彫刻がどうも気になってしょうがない。食後に聞くとその弟子、佐々木千鶴子氏の作品らしい。その高貴な女性像ひとつでレストランの空気を気品ある空間に仕立てているかのようだ。マダムの趣味である佐藤忠良作品はその他数点展示されている。
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