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水曜ミステリー『黒の奔流』ロケ現場潜入!

松本清張 生誕100年特別企画!のドラマロケ現場に潜入してみました! 本番の静けさは、コツっという靴音さえ許されない世界。グラスの中の赤ワインをこぼしたら、あらら、なんと中身は、あのジュースでした!

執筆者:河野 優美

『黒の奔流』の撮影現場潜入!

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
『黒の奔流』の台本。

2009年3月4日放送の『水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流』の撮影が、先日2月15日、六本木一丁目の「ラ・ヴェロニカ」にて行われました。

こちらは以前、山崎努さんと岡田茉莉子さんの共演で、映画化された作品。原作は『種族同盟』という小説で、殺人容疑で法廷に立たされた女性と無罪を勝ち取ろうとする弁護士との愛憎のストーリーです。

9ケ所のロケの最初が、「ラ・ヴェロニカ」。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
席に着くエキストラと、忙しく撮影準備に取りかかるスタッフ。

出演は、船越英一郎さん、星野真里さん、黒谷友香さん、鹿賀丈史さん、阿部力さん、賀来千香子さんなど。

当日は、府中など9ケ所もの場所での撮影が予定され、そのスタートとなったのが、この「ラ・ヴェロニカ」。そのため、開始は朝8時。私はその10分前くらいに着いたのですが、その時にはもうすでに、お店の前には40名程のスタッフがスタンバイ。予定時間には、きっかり撮影が始められました。

始まりは、監督による出演者の台本読み合わせ。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
中央の席に座っているのが、船越英一郎さんと星野真里さん。お店のスタッフが食器やカトラリーをセットしています。

今回こちらで撮影したのが、船越英一郎さんと星野真里さんのシーン。食事をしながら、星野さんが「子供ができない奥さんとなんか離婚しちゃえばいいのに」と船越さんに言う場面、船越さんが赤ワインをこぼす場面などでした。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
左上から時計まわりに。「ラ・ヴェロニカ」のウェルカムプレート、監督がセリフ合わせをする船越さんと星野さんに合図を送る様子、キッチンで料理の準備をするシェフ、進行を確認する撮影スタッフ。

いきなり撮影に入るのかと思いきや、まずは、瀧川治水監督による、出演者のセリフ合わせ。監督が左手に台本を持ち、右手で船越さん、星野さんに交互に合図を送り、それに合わせて、お二人がセリフを合わせます。

この時点では、まだライトもついていず、お料理も運ばれていず。船越さんと星野さんは、何ものっていないお皿の上で、ナイフとフォークを動かしながら、本番に備えます。

この間に、エキストラの男女はそれぞれの席に座り、キッチンではシェフがお料理の準備におおわらわ。

本番は、コツッという靴音さえ許されない静けさ。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
いざ本番という段階で、初めてライトが出演者に向けられます。

そして、本番。驚いたのは、その静けさ。「本番行きます!」という声がかかったとたん、たとえ忍び足だろうが、歩くなんてもってのほか。それこそ、だるまさん転んだの世界です。キッチンも含め、皆がすべての動きを止め、すべての音が止まります。聞こえるのは、船越さんと星野さんがセリフを話す声だけ。緊張が走ります。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
出演者のテーブルから少し離れてスタンバイする音声さん。

目を閉じて聞いていると、本当に今この店内に、40名ものスタッフがいるだろうかと疑いたくなるほど。その分、「カット!」と声がかかると、メイクさんをはじめ、たくさんの人が迅速に動き出します。

赤ワインの中身は、カルピスの「Welch's」がお決まり!

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
どぼどぼとテーブルクロスにウェルチを染み込ませる美術さん。

おもしろかったのが、船越さんが赤ワインをこぼす場面。中身は、カルピスのブドウジュース「Welch's(ウェルチ)」なんですよね。通常、撮影では、赤ワインはこの「ウェルチ」、ウィスキーはウーロン茶、日本酒は水というのが、お決まりのよう。

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左上から時計まわりに。ウェルチを準備する美術さん、カルピスのウェルチ、前菜を運ぶ撮影スタッフ(前)とお店のスタッフ(後)、出演者の演技を別室でチェックする監督。

また、グラスにも仕掛けがあって、船越さんの前に赤ワインが置いてある時は本物のガラスなのですが、倒す場面になると、急にそのグラスはアクリル製にすりかわります。どうも、カメラワークでうまくつなぐよう。

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
テーブルクロスの染みは、出演者の演技がすべて終わってから、それだけ大写しで撮影。

テーブルクロスの染みも、出演者の方が引き上げた後で、美術さんが「ウェルチ」をどぼどぼと染み込ませ、それをカメラさんが大写しで撮っていました。この辺り、どんな仕上がりになっているか、見ものですよね。

この日のロケ弁は、府中の喫茶店の手作り!

水曜ミステリー9 松本清張 生誕100年特別企画 黒の奔流
ライトと出演者の映りを確認する、照明さんとカメラさん。

撮影にかかる日数は、今回のような2時間枠のスペシャルドラマで、ほぼ2週間。映画だと3ケ月、連ドラだと3ケ月もしくはそれ以上だそう。

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照明の足には、店内を傷つけないよう、くり抜いたテニスボールがかぶせられています。

撮影隊は、ドラマごとに集められるため、毎回違った顔ぶれ。「でも、ドラマは皆で創り上げるものなので、撮影期間中は皆、仲間。出演者もスタッフも、同じ釜の飯を食います。ちなみに今日のお昼は、これから向かう撮影場所の府中「J's cafe(Jタワー内)」に、お弁当を頼んであるんですよ」。

ああ、噂のロケ弁ですね! グルメガイドとしては、その部分もとても気になりつつも、撮影隊とはここでお別れ。ハードな今日一日を激励しつつ、すみやかに撤収する後姿を、見送ったのでした。

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次ページでは、今回の撮影場所となった「ラ・ヴェロニカ」をご紹介します!
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