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花蝶 (東銀座)(2ページ目)

【宮本亜門さんのプロデュースは、2008年5月末をもって終了しています】日本画家・福井江太郎さんのダチョウの襖絵を眺める元料亭レストランです。お料理は、和食でも洋食でもない新たな日本食。

執筆者:河野 優美

添えられた桜をめでながらいただく先付け。

花蝶
冷えた白ワインの向こうはダチョウの襖絵。
「花蝶」のお料理は、和食でも洋食でもない、お箸でいただく日本食。メニューは、ランチコースが2,100円、ディナーコースが6,300円、8,000円、12,000円、15,000円。

今回は、最も人気があるという8,000円のディナーコースをいただいてみました。

まずは、お食事前の先付け。

花蝶
桜の枝が添えられた先付け3種。
鰹ダシがしっかりしみた「小松菜とアサリの煮浸し」、まろやかな酸味にそそられる「鯛の皮と大根の土佐酢漬け」、オリーブオイルに唐辛子とニンニクがピリッと利いた「タコとセロリのマリネ」の3種類。

一番印象に残ったのは、鯛の皮。てっきり炙ってあると思ったのですが、4~5日の風干し後、素揚げにし、1週間も土佐酢につけたものだそう。弾力性に富んだ食感が、噛むほどに風味を引き出し、大事に味わいたい一品でした。

上の野菜の味で下の野菜をいただくドレッシングいらず。

花蝶
前菜は、「鴨肉と新ゴボウ、旬菜のサラダ仕立て バジルとバルサミコ酢のソースで」。

これは、水菜の上に薄切りにしたゴボウを重ね、その上にインゲン、鴨肉のソテー、グリーンとホワイトのアスパラ、頂点に菜の花を飾ったもの。まわりには、アスパラの茎を立たせ、バジルとバルサミコの2色のソースでアレンジしています。

これだけ野菜が重なる良さは、上の野菜の味で下の野菜を順に食べて行けること。そのため、油分は最小限が美味しい。何にも惑わされない素材の味をそのままいただくので、アスパラのシャキシャキ感もいつも以上に際立ちます。

点で和食を取り入れるのが「花蝶」流のコース。

花蝶
厚めに切られた本日のお刺身3種。
次に出てきたのは、「築地市場よりお造り三点盛合わせ」。この日は、ぼたん海老、本まぐろ、平目の3種類。お醤油は少なめで、わさびは大目にこんもり盛られています。

ここでお刺身が出たのは意外でしたが、シェフに伺ったところ、「コースというひとつの流れの中で、点で和食を取り入れていくのが花蝶流です」とのこと。平目の下に薄くしのばせたレモンに、気遣いを感じました。

さっときれいにいただけるのも美味しさの基本!

花蝶
ナージュのバスタブの中で入浴するエビ2尾。
魚料理は、「車海老のナージュグラタン」。

ナージュは、フランス語で“泳ぐ”という意味。香草、野菜、白ワインなどを炊き上げたブイヨンにカラごと海老を入れて香りを移し、そのゆで汁を使う調理法のこと。なので、グラタンと言っても、スープに近い感覚です。

鼻を近づけると、海老と言うより磯の香り。味わいは、このままここで料理が終わったら、かなりの長い余韻になるだろうと思うほど、まったり濃厚です。ニンニクのアクセントもきいていました。

じゃがいもの台座が見せ場を作る海老2尾も、カラ付きだと食べるのが面倒だなと思ってしまいますが、驚くほどするりと身が離れます。女性にとっては、食べやすさも美味しさの基本。きれいにさっと口に入れられるのが何よりですよね。

着物の襟のさし色を連想させる風雅なお皿のセッティング。

花蝶
スープ皿の下には山吹のさし色。
洋食のコースだと魚が出た後は、シャーベットなどの軽い口直しが入って、肉のメインへと続きますが、ここでは、煮物。「春野菜と白いんげん豆のクリームスープ」。今回の春野菜は、グリーンピースと筍が入っていました。

先程のナージュもスープ調だったので、なんとなく似たものが2品続くような気がしますが、味わいは全然違います。先のものが、海老をベースにしているのに対し、こちらはお野菜がベース。トマト、カブ、マッシュルーム、セロリ、ポワロー、玉ねぎ、人参などが使われています。

花蝶
ディナーではナフキンのかわりに手ぬぐいが用意されます。
フランスの田舎料理「ガルビュール」に似ている古典的なスープだそう。スープ皿の下に見え隠れする小さな色紙が、着物の襟のさし色を連想させ、風雅な気分になりました。

白いんげんが煮込まれてか、もともとカットされてるのか、グリーンピースと同じくらいの大きさになっていて、スプーンですくう時にとても食べやすかったです。お刺身以外のここまでなら、パンがあってもいいかなと思いました。

次ページでは、マデラソースを使ったお肉のメイン、鯛茶漬け、デザート、コーヒーをご紹介します!
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