ゲームニュース講座

更新日:2009年12月02日

欲しい人がいなければ売れない、ということ

年末商戦を前にして発売された2つの新型携帯ゲームハード。PSP goとDSiLL。発売直後の売上げで、明暗がくっきりと分かれたようです。大きな差がついたその理由とは、いったい何なのでしょうか。

欲しい人を見つける作業が新しいものを生かす

FFCCTCBの図
PSP goはまだ誕生したばかりです。この新しい携帯ゲームハードをどう育てるかは、ゲーム業界のオンラインサービスの方向性を考えることにもなります。(イラスト 橋本モチチ
欲しい人がいれば売れるのだから、じゃあみんなが何を欲しがっているか調査をしよう、というのは誰でも考えることです。いわゆる、マーケティングリサーチというものですね。ただし、エンターテイメントの業界においてこの調査は参考程度にしかなりません。

何故なら、お客さんにアンケートをして、お客さんからでてくるものというのは、お客さんの想像を超えないからです。エンターテイメントは、ビックリするようなこと、誰も考えつかないような新しいこと、そんなまさかと思うことをやった時に、大ヒットが起きます。つまり、本当にヒットするようなものを作ろうと思うと、マーケティングリサーチが通用しない業界なんです。

そして逆説的ですが、マーケティングリサーチが通用しないからこそ、マーケティングの発想そのものは非常に重要になります。お客さんに言われたものだけを作っているのではない、すなわち、作ったものを誰が欲しがるのか自分達で考える必要がある、ということです。

DSiLLとPSP goは、発売直後の売上げで大きな差がでました。それは、欲しい人がはっきりしているか、欲しい人がはっきりしていないか、の差が大きかったように思います。ただ、PSP goはスタートにつまづきはしましたが、ゲーム業界にとってはとても面白い存在です。

オンライン専用にすることでメディアレスを実現し、サイズもずっとコンパクトになりました。色んなゲームをPSP goの中に入れて常に持ち歩き、好きな時に好きなゲームを選んで遊べる、というようなゲームライフを提供できる可能性を持ったハードです。PSP goを今後どういう風に売っていこうかというのは、そういった新しいゲームライフに興味がある人を探す、あるいは生み出す作業でもあります。

そしてそれは、次の携帯ゲームハードの在り方の1つを示唆するものになるようにも思えます。今の状況では、なかなか欲しい人が現われないということは、まず分かりました。じゃあこの、新しい形のゲームハードを欲しい人はどうしたら現われるのか。それをこれからPSP goを伸ばす形で追求してくれることを期待したいと思います。

【関連記事】
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田下 広夢

日本を代表するゲーム文化の認知と理解のためにフリーライターとして活躍中。

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