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MGS4が発売されてPS3はどうなった?

初週約47万本の好スタートを切ったMGS4。PS3におけるキラータイトルの役割は果たせたのでしょうか? そして、切り札をきったPS3の今後の展開はどうなるのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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MGS4はPS3を救ったか?

MGS4の図
2週目で50万本を突破して、PS3で唯一のハーフミリオンタイトルが誕生することになりました。PS3を持つユーザーの4人に1人が買っているという計算になります。
約47万本。2008年6月12日に発売されたPLAYSTATION3(以下PS3)専用ソフト、メタルギア ソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(以下MGS4)の初週における販売数です。この47万本という数字はPS3の市場においては革命的な数字であると言えます。

というのも、過去のどんなPS3用ソフトも、累計販売本数で40万本を突破したタイトルはありません。その壁を初週であっさりと越えたのですから、快挙と言っていい数字です。さて、ではその快挙を成し遂げたMGS4によってPS3というハードはどんな局面を迎えるのでしょうか。キラータイトルを発売したことによってPS3はどうなったのか、そして今後どうなるのかについて、考えてみたいと思います。

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PS3は世の中に存在感を出せたのか

PS3のプレゼンスの図
PS3ってどんなゲーム機? と言われた時に、パッと答えが返ってくるところまで認知されると、商品として存在感を持ったと言えるでしょう。
PS3の全ソフトの持つ販売記録を初週にして更新したMGS4ですが、これでキラータイトルとしての役割を果たせたのでしょうか? ハードの販売数を見てみると、MGS4が発売された週にPS3は8万台弱を売り上げています。

直前が約1万台なので8倍の伸びということになります。しかし、MGS4のようなコアユーザー向けタイトルは需要が初週に集中することが多く、ハードの動きもそれに連動してか次の週は約2万台に留まっています。瞬間的には大きな伸びを見せたものの、継続的に売れる流れが出来そうかといえば、疑問符がつきそうです。

このことは、PS3とMGS4が世の中に広く認知されて、市場の中で存在感を持てたかということと深く関係があります。もう少し長いスパンで数字を見ていくとより明確になりますが、需要が初動に集中して、2週目から大きく落ちたという現象には、商品の認知と購買の動機付けが、非常に狭い範囲に集中したことが伺えます。リゲインやiPodをはじめとした多数のタイアップや、最大限の宣伝をもってしても、それ程広い認知には至っていないというのが実際のところではないでしょうか。

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では、何故PS3とMGS4は狭い範囲しかターゲットできなかったのでしょうか?
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