寒風に吹かれ、吹かれて、矢切の渡し
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| (上)ついに矢切の渡しへ。気分が高揚する (下)矢切の渡しは冬季休業中。すっかり意気消沈する二人 |
寅さん記念館の裏は、すぐに江戸川がある。映画にもよく出てきた、寅さんが歩いている土手だろうか。この日は、天気はいいのだけれど、とにかく風の冷たい日だった。土手から川原に降りていくと、とにかく寒い。
後からわかったのだけれど、この矢切の渡しは伊藤左千夫の小説、「野菊の墓」の墓の舞台になった場所だそうだ。僕らは川を渡らなかったので、見ていないが、松戸市側に文学碑が建っているらしい。
1906年、明治39年に「野菊の墓」は発表された。1955年に木下惠介が「野菊の如き君なりき」という映画を撮っているし、1981年には小説と同じタイトルで映画が撮られている。主演は松田聖子。
僕自身は1975年、NHK少年ドラマシリーズで竹井みどりが主演したドラマで初めて知った。高校2年生、17歳のときだった。すぐに原作の小説を買って読んだのを覚えている。原作を読んで泣いた。この話は民と政夫がお互い好きなのだけれど、大人たちの都合で引き裂かれていった悲恋の物語だ。
グランドにもなっている川原は冷たい風が吹いている。学校帰りだろうか、中学生の男女のグループがいくつかあって、ぎゃーぎゃー言いながら追いかけっこなどをしている。小説に出てくる民と政夫はちょうど彼らくらいの年齢だったはずだ。
僕たちは矢切の渡しまで行ってみた。朽ちた木がある小さな場所だ。対岸まではほんのわずかな距離。1982年にヒットした細川たかしの「矢切の渡し」の歌碑がある。
「これこれ、この歌。名作ですよね」
とNくん。中瀬さんは、この歌も知らないのだそうだ。時代は変わっていくのだなぁ。中瀬さんはN君に「歌ってくださいよ」とせっついている。
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| 江戸川の土手をひたすら歩く。寒空に歩くと、気分がちょっと切なくなる |
矢切の渡しは、運行していなかった。なんだか一同ちょっとしんみりして、僕たちは北総鉄道の新柴又駅までへ向かう。
途中、柴又七福神の大黒天のある宝生院に寄った。澄んだ空気の寒い一日の散歩はここで終了。また、「野菊の墓」が読みたくなった。
【参考までに今回の散歩ルート】
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| 京成高砂駅を出発し、一路柴又駅へ。柴又界隈を散策し、江戸川矢切の渡しへ。そこから新柴又まで、計3時間の散歩コース。時間を短縮したい人は柴又駅で降りて、歩くのが吉 |
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