アミューズメントスポット/アミューズメントスポット関連情報

ネット対戦型格闘ゲーム関係者に直撃 PCとACが対戦するゲームとは?

家庭のパソコンとゲームセンターのゲームをネットで繋ぎ、対戦を可能にした3D対戦型格闘ゲーム『XE+TH ゼクロス』の関係者に直撃し、このゲームが切り開く新たなネットゲームの形を探りますぞ!

執筆者:安達 孝之

■家庭のパソコンとゲームセンターのゲームで対戦!
パソコン(以下PC)とアーケード(業務用)ゲームが、ネットを通じて対戦できる。そんなシステムを実現した、3D対戦型格闘ゲーム『XE+TH ゼクロス』。実はこのゲームは、韓国と日本の企業が共同で作り上げたゲーム。そんなゲームの開発にはきっとかなりの苦労があるのでは、と。ピーアンドエフ株式会社にお邪魔させて頂いて、同社のアミューズメント事業部、取締役本部長、八十川徹氏に詳しい話を伺ってみました。

実際、話を伺ってみると、やはり開発当初から相当な苦労をされたようで。このゲームは当初、韓国のネットゲームをベースに日本向けとして発売を考えていたが、日本のプレーヤーの嗜好を考えると、変更すべきだろうと、大幅なチューニングを施したこと。また、国を跨いでの開発で、言語、慣習の違いからくる意志の疎通の難しさ。

だが、話を聞いていくと、大手ゲームメーカー1社ではなく、販売会社や開発会社、PC事業運営会社など各分野に秀でた企業が提携し、ひとつのゲームを作り上げるという新たな試み。また、既存のMMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)一辺倒なネットワークゲームに新たな市場を開拓すべく、掲げるコンセプトなど、このゲームにかける人々の熱意も伝わってきた。

そんなインタビューの詳しい内容は以下に。


■アミューズメントギルド チームXEROって何?
――それでは。『アミューズメントギルド チームXERO』、このチームはどういった経緯で発足したんですか?

「韓国でKIPUS社より『XERO(以下ゼロ)』というゲームがリリースされていました。これは韓国で100万人のプレーヤーを数える、オンライン対戦型の3D格闘ゲームなんです。そしてこのゲームをギルドという会社がPCゲームとしてリリースするべく、動いている中、韓国内の情報に強い株式会社テイエスケイ社側からこのゲームのアーケード版を作らないかと、持ちかけられたんです。そこで私の友人のいるMOSS社にも声を掛けて、これらの企業が『アミューズメントギルド チームXERO』を結成したと。これが発端です」

――このチームはPC事業運営会社、アーケードゲーム制作・販売会社など各分野の企業が集まっているそうですが?

「ええ、それぞれがゲーム開発や販売、サーバーの運営など得意な分野を担当しているんです。基本的には今回は"チームXERO"なんですが、次のゲームはまた違うチームなんですよ」

――それはまた別の会社と組んでということですか?

「そうですね。つまりプロジェクトごとに変えていこうということです。で、「こういうプラットホームで、参加するんだったらどうぞ」、と。だから今後、PCのみという場合もあると思うんですが、そんな時はピーアンドエーは業務用の販社なんで、ウチがチームから外れると」

――画期的ですね。

「というか、「餅は餅屋」じゃないですけど、こういった形もあっていいのではないかと」


アーケードとPCが対戦できるゲームとして、話題を集める『XE+TH ゼクロス』。だが、一方でこのゲームを手がける"チームXERO"の詳細については、各ゲームメディアが取り上げることも少なく、不明な点が多かった。

だが話を伺ってみると、販売会社や開発会社、PC事業運営会社などの企業が、いわば強力なタッグチームを結成し、その得意な分野でひとつのゲームを作り上げているのがわかった。そしてこのチームは、ゲームごとにそのパートナーたる企業を変えていく。

大手ゲームメーカーがその資金力と技術力で作り上げるゲームも魅力的だが、こうした"いいとこ取り"の開発形態から生まれてくるゲームも、それと同等、もしくはそれ以上に魅力的ではないかと考えさせられてしまった。



■韓国と日本、国境を越えたゲーム制作
――以前は『ゼロ』で、現在制作されているゲームのタイトルは『XE+TH ゼクロス』ですよね? なぜタイトルが変わったんですか?

「これは色々紆余曲折がありまして(笑) 実は最初話を持ちかけられて、実際に見たとき、通信対戦の格闘ゲームとしてインタラクティブ性はいいな、と思ったんですが、これはこのままでは日本では通用しないな、と感じたんです」

――それはまたどういった部分が?

「ゲームとして見たとき、キャラクターやストーリーは日本のユーザーには受けにくいものがあったと思うんですよ。そこでキャラクターやストーリー、さらには仕様も日本サイドで書き直して、これなら名前も変えなくちゃダメだよね、ってことで『XE+TH ゼクロス』になっていった訳です」

――では、『ゼロ』の通信対戦エンジンしか『XE+TH ゼクロス』には残っていないということなんでしょうか?

「いえ、フィールドやキャラクターの基本コンセプト、どのキャラがどんな武器を持って、どんなイメージなのか、などは残してます。

――これで「日本のキャラクターデザイン、仕様を持ち、韓国の通信対戦エンジンを使用したゲームができあがるという訳ですね」

「そうですね、やはり韓国の通信インフラは早くから整備が進んで、技術も日本の上を行っている部分もあります。そんな韓国から生まれた通信対戦エンジンに、日本のゲーム制作のノウハウが加わると…。」

――なるほど。ですが日本と韓国、国を跨いだ開発はかなり苦労があったのでは?

「そうですね。実は私がMOSSに声を掛けたのは、ただ仲が良かったということだけじゃなくて、韓国語がネイティブにできるプログラマーがいたからでもあるんですよ。例えば、ゲームに「萌え」を出したいなんて時、韓国語で伝えるにはどうしたらいいと思います? やっぱりそこには韓国語のネイティブのスピーカーが必要なんですよ。しかも技術をわかっているというのが前提ですが。それでも行程管理の問題など色々ありまして、詰めて仕事をすれば、4ヶ月か5ヶ月で済むところが、実際に動いてみると9ヶ月以上かかってしまうと。」

昨年のAOUショーでは、そのタイトルは『ゼロ』。そして今年のAOUショーで『XE+TH ゼクロス』に変わった。この背景には、日本のプレーヤーの嗜好を考慮し、キャラクターや仕様を新たに起こした、大幅な改良があった。

それでも、通信対戦エンジンをベースにしたということで、開発はスムーズに進んだのではと考えていたが、現実はかなり厳しかったようだ。まず、言語。日本のプレーヤーに感情移入させるというところで、"萌え"るという要素は欠かせないだろう。

この"萌え"という表現。私はキャラクターに対する好感度が高い状態と認識しているが、これを違う言語で表現するというのはかなり難しいはず。こんな言葉ひとつからでも、開発現場の苦労が伝わってくるようだった。

(C)アミューズメント・ギルド・チーム・ゼロ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます