ジョギング・マラソン/ジョギング・マラソンの走り方、トレーニング

市民ランナーこそ、格好のいいフォームで!

良いフォームは、「健康」「スタミナ」「シューズ」を長持ちさせます。脂質と環境に恵まれない市民ランナーこそ、お金も時間も不要なランニングの武器、「良いフォーム」を身につけるべきだと思いますよ。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

東京マラソン出場をきっかけに走り始めた方が多いのでしょうか、このところ皇居の周回コースを走るランナーの姿、それも女性ランナーの姿がめっきりと増えています。さあ、あなたも一緒にマラソン完走を!

良いフォーム、3つの長持ち

良い足の運び
女性ランナーに多いX脚にもならず、楽そうにジョグしてました
O脚の方
このまま走り続けていると、故障も心配なO脚型
コーチもいない市民ランナーの場合、フォームに注意をはらう方が少ないように思います。特に初心者の場合は、積極的にランニング雑誌や解説書、ビデオ類を見ることもなく、フォームには無頓着か、多少の意識はあっても自己流で走っている方が多いように思います。

ランニングはあまりに単純な動きで成り立っている運動で、特別に指導を受けなくてもなんとかやれてしまうのがその理由だと思いますが、何事も最初が肝腎です。他のスポーツ同様にフォームはおろそかにできません。野球などでも悪い投球フォームは、威力と制球力がつかないだけでなく、故障につながるのですが、ランニングも、合理性のないフォームですと速く、あるいは楽に走れないだけでなく、故障につながります。

力や若さに溢れた肉体を持っているうちは、フォームを気にかけずともそこそこの記録を出せるかもしれませんが、運動能力や練習時間等、いずれにおいてもエリートランナーに劣る市民ランナーこそ、良いフォームをランニングの拠り所とする必要があります。

良いフォームは見た目にも格好が良いだけでなく、3つの長持ちを約束してくれます。

その1 ケガをしにくいので、健康が長持ち
その2 合理的で疲れにくいので、スタミナが長持ち
その3 ソールが片減りしないので、シューズが長持ち

マラソンにとって良いフォームとは?

男子が2時間4分台に突入し女子も2時間20分を切ることが珍しくなくなったトップランナーの世界では、マラソンも10,000mの延長と言われるようになりました。しかし、市民ランナーのレベルでは、まだマラソンは、特別に長い距離のレースです。最後までペースを維持しきって完走を果たすことが、マラソン入門者の最初の目標です。

では、そうしたレベルと目的を持った、よりよいフォームとはどのようなフォームなのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、長く走れるフォームだということができます。それは、無理がなく、効率的なフォームといえます。ムリ、ムダ、ムラ、これが悪いフォームの条件です。一体、どのようなフォームが無理がなく効率が良いフォームといえるのでしょうか。

マラソンは前進する運動です。力を前方に推進させることに集約させるフォームが効率の良いフォームです。マラソンのスピードは単位時間当たりの歩数(ピッチ)×歩幅(ストライド)できまります。長続きできて歩幅が広く、歩数を増やせるフォーム(歩幅と歩数は二律背反の関係にもあるので、調和が取れるポイントを探る必要があります)が求められます。

マラソンは、有酸素運動です。継続的に多大な酸素を使い続けます。もうひとつの条件は、酸素をたくさん取り入れられるフォームということになります。

さらに、マラソンは体に過酷です。限界を極めようとすれば故障も多くなりますそこで体を酷使しても故障が少ないフォームが、結局練習量も増すことができるので記録を伸ばすことにつながります。

体を効率良く前進させるフォーム

一番のポイントは足の使い方です。体を前方に蹴り出せたらすごいのですが、そんなパワーを長時間維持できる人は、エリートランナーにもいないでしょう。しかし、体を前に押し出してやるくらいのことはできるでしょう。また、前進しようとする力を減殺する動きを極力減らします。するとどのようになるでしょうか。

まず、着地点が体の重心より後方でなければなりません。実際には走っていれば重心の位置は止まることがなく、常に前方に移動していますから、重心の真下に着地するくらいでOKです。上から下に足を降ろすのではなく、前から後に弧を描くつもりで着地します。

着地の後は、足裏をローリングさせ、親指と中指のあたりで体を押し出すようにフィニッシュします。足首はあまり使いません。気持ちとしては、足で弧円を描いているような気持ちです。

ストライドを広げようと、無理に足を前に伸ばすフォームは、足が長く見えて一見かっこよさそうなのですが、オーバーストライド(歩幅の広げすぎ)で、着地点が重心より前になってしまいブレーキをかけてしまいます。

また、ピストン運動のように体をプッシュする足使いですと、体が起きた状態では、極端に言えば腿上げ運動のようになり、歩幅がかせげません。足のピストン運動に使う筋肉は、特別に鍛えていない限りそんなについていません(短距離走でクラウチングスタートした後の数歩がそのような動きになりますが、5~6回練習しただけで翌日はすごい筋肉痛が出ることでしょう。そのくらい、この動きに必要な筋肉がついていないのです)。ジャンプ力のような瞬発的な筋力は衰えが早いのです。

>>歩幅をひろげるために>>
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます