
ヨーロッパに留学していた坪井玄道が日本にピンポンセットを持ち帰ったのが明治35(1902)年。ひしめく統括団体がひとつになって、「日本卓球会」(現在の日本卓球協会の前身)となったのが昭和6(1931)年。およそ、卓球伝来から100年、協会設立から70年を経て、『写真で見る日本卓球史』は発刊された。
とまあ、こんな書き出しをすると、なにやらワクワクさせられるところがあるかもしれないが、日本卓球界の集大成といった本を想像して手を伸ばした読者からはお叱りを受けるかもしれない。少なくとも、日本卓球史というタイトルに反応して購入した者としては、さらに現在日常的に本作りを手がけている者としては、いささか拍子抜けした感は否めないからだ。目次を見た限りでは……。
「世界選手権などの国際大会」「全日本選手権」「その他の大会」。目次を簡単にまとめればそうなる。用具の「変遷史」とか、協会の「運営史」とかいった項目はない。つまり、主な大会を3つに分類した「大会史」なのだ。なんだ、そうだったのか。それならそうと「卓球戦史」とでもしてくれればよかったのに。
むろん卓球界の森羅万象を写真でカバーするのはとうてい無理だというのはわかる。しかし、それにしても「卓球史」とはあんまりじゃないか。決定版的な含みを持たせたかったのかもしれないけど、このタイトルだと「ああ、いっちゃったんだなぁ」という感じがして、次の一手が見えにくくなっちゃうんですよね。まあ、余計なお世話ですけど。
それはそれとして、この卓球史自体の出来は悪くない。写真とキャプションだけで淡々と展開されていく、シンプルな構成である。野球でいえば投手戦を見ているような感じというのかな。そこに物足りなさを覚える人がいなくもないだろうけど、シンプルだからこそ飽きがこない。