文章:川頭 広卓(All About「プロレス」旧ガイド)
三沢光晴さん逝く
自分にとっては特別な興行であったが故、逆に何も書けなくなってしまったキン肉マニア。この記念すべき日のことを、自分なりにもようやく綴り終え、アップしようとパソコンに向かってカタカタやっていた矢先に飛び込んできた、プロレスリング・ノア三沢光晴さんの急逝——。
「リングドクターはいなかったのか?」、「昨今の三沢さんは、ちゃんと練習できていたのか?」、「明日の興行はどうするのだろうか?」。この後、きっと色々な議論が沸き起こるのだろう。だが、耳に入った直後は全ての力が抜けてしまった。
中学時代、学校に持ち込んだ週刊プロレスを、校内一怖い河合先生に見つかってしまった。職員室に呼び出され、直立不動の自分に、河合先生は雑誌をパラパラとめくりながら「お前は誰のファンなんだ?」と一言。
“まさか、河合先生もプロレス好きなのでは!?”と淡い期待を抱き、ちょっと嬉しそうに「三沢です!」と答えた瞬間、丸めた週プロで頭を思い切り殴られた。2代目タイガーマスクがマスクを脱ぎ、三沢光晴という名の革命を起こした直後のことだ。
あれから20年近くが経とうとしている。最後に観た生の勇姿は、今年の1.4東京ドームだった。身体つきやコンディションを全盛期のそれと比べるのは酷だが、エルボー1発の説得力に絶対的な存在感は、今も圧倒的なプロレスラーだったといえる。
ノアはどうなってしまうのだろう?
今月末で本コーナーも閉鎖となり、プロレス業界との関わりをどうすべきか。この後、下記にその葛藤——、いや、プロレスとの区切りを述べることになるわけだが、三沢さんの悲報が気持ちを揺らす。
いずれにせよ、残り2回の更新となった本コーナー。思いのままに書きたいことを書こう——。