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プロレスラー成瀬昌由に聞く危険回避護身術

我が身にふりかかる危険を回避するには何をするべきか?武士道の精神を携え、プロとして日々闘いを続ける成瀬昌由に、誰にでもできる護身術を教えてもらう。

執筆者:川頭 広卓

成瀬昌由 昭和48年3月15日生/O型/東京都杉並区出身 リングス、新日本、Dynamaite!!と主戦場を移しながら、今も一線で活躍し続ける
なんとも、物騒な世の中になった。しかし、我が身にふりかかる危険はなにも犯罪だけではない。災害、怪我、病気、予期せぬアクシデントまで色々なケースが考えられる。我が身に危険が迫った際、果たしてどれほどの人が適切に対処できるのだろうか?特に人的な災害では、自らの身を守るだけではなく、時に愛する人を守らなければならないケースだってなきにしもあらず。

本日は「我が身にふりかかる危険を防ぐ」をテーマに、“プロレスラー”成瀬昌由選手へインタビュー。その話しは危険の予防から、犯罪の根本となる教育、社会の歪みにまで発展。最後には、初歩的で簡単な護身術から、簡単にできる体力作りまで、至れり尽くせり伺った。

成瀬選手は、選手として活躍する傍ら、不定期ながらも、フィットネスクラス(通称、成瀬教室※1)を開講。都内のゴールドジムを中心に、常時満員となっている人気のイベントで、初心者や女性にもできるエクササイズやストレッチを指導もしている。

ネット版成瀬教室、開講

ガイド:本日は「我が身にふりかかる危険を防ぐ」というテーマで話しを伺いたいと思います。こと人的な災害でいえば、町で暴漢に襲われたり、不良にからまれたり、何かと物騒な世の中になっています。

成瀬選手:僕はいつも「逃げろ」っていいますね。

ガイド:「逃げろ」ですか?

成瀬選手:素人の人にああして、こうしてっていうのは難しいじゃないですか。それよりも、シンプルに出来る一番の対処法ですよ。

ガイド:危険の回避を第一に考えろと?

成瀬選手:「殴られたら、お金貰えるんだから殴られろ」なんていう人もいましたね。トム・ハワード状態で……。あ、冗談ですよ(笑)

ガイド:成瀬選手は、これまでに突然危険な状態になったことはあるんですか?

成瀬選手:幾度かありますね。練習した帰りに、人とぶつかって、絡まれたこととか。僕はどちらが悪くても、とにかく「すいません」って謝るようにしているんですよ。まず火の粉がかからないようにというか、基本ですよね。

ガイド:危険な環境に身を置かないための予防ですね。

成瀬選手:それでも、ある時、明らかに相手が悪かったと思うんですけど、謝ったのに、いちゃもん付けれて「コノヤロー」っていいながら、漫画みたいに後ろから殴りかかってこられたことがあります。

ガイド:え、それでどうしたんですか?

成瀬選手:こちらからは絶対手を出すことはしないので、パッとかわして腰投げからマウントとって「やめませんか?」って(笑)

ガイド:でも、相手の動きを止めて「やめませんか?」って諭すあたりが、非常に冷静ですね。

成瀬選手:その頃から日本も物騒になってきたので、武器とか出されたら嫌だなというのは考えてましたね。

ガイド:自分もつい先日、ファミレスの中で不良グループが暴れ出したところに運悪く居合わせました。巻き添えを喰わないよう、そそくさと店を出て通報しておいたんですが。

成瀬選手:あ、でも、それは賢明ですよ。

ガイド:知らなかったのですが、今って携帯から110番できるんですね。

成瀬選手:そうなんですよ。あと、女性なんかは、近くの警察署や派出所の電話番号を携帯に登録しておくのもいいですよね。何かあった時に、すぐ電話できますから。

ガイド:危険が起こった時、一番いいのは?

成瀬選手のTシャツ「自由人」。彼のメッセージでもあり、生き方でもある ※購入は次々頁を参照
成瀬選手:さっきもいいましたが、やっぱり逃げることですよ。後は、警察に頼る。どうしようもない状態でも、最悪、24時間営業のコンビニに駆け込むとか。

ガイド:逃げることもできず、やむを得ない場合なんかは?

成瀬選手:本当に手を出す、身を守るっていうのは最後の手段で、武道の精神でいうなら、何が勝ちで何が負けかっていうことになるんですけど、例えば、相手が手を出してきたとしても、こちらは手を出さずに守るべきものを守る。そうすれば、本当の勝利は自分にあるというね。

ガイド:何かしらの方法で身を守るというのは最後の手段としたい?

成瀬選手:もし、これが試合や決闘なら、1対1で相手を倒したとしても、その後にその相手を慈しむっていうのが闘いであり、武士道。でも、今の日本でそれは無理でしょう(笑)

ガイド:確かに、相手と意思疎通できるケースなんてないでしょうからね。

成瀬選手:それこそ、こないだの桜井“マッハ”速人選手の事件(※2)ですよね。あれで、本当に彼は武道家としての勝ちを得た。なぜなら、彼は自分の生徒もいるし、子供達にも武道を教えている。当然、ケンカのためにとかではなくて、自分を守るためにって。だからこそ、身をもって自らが模範となった訳ですよ。

ガイド:左眼窩壁骨折で全治1ヶ月と報道されていました。

成瀬選手:本当に大したもんですよ。

ガイド:しかし、少し前であれば、深夜の繁華街には行かないとか、ある程度、危険を予見することもできましたけど、最近は全くもって読めません。

成瀬選手:そうですね。“君子は危うきに近寄らず”って言葉もありますけど、最低限の自己防衛は必要で、それは謝るのもそうです。でも、当たり前に謝ることや、挨拶すらできない人も増えましたからね。普通に挨拶しても、返ってこない時も多いし。

ガイド:自然とトラブルも増えますね……。

成瀬選手:この前、新幹線乗った時「WEDGE」という雑誌が置いてあって、「日本人の忘れ物」っていう特集をやってたんですよね。昔の日本の良さ、恥の文化とか、わびさび、礼儀とか、昔の日本人が当たり前のように持っていた感覚がなくなっていますから。

ガイド:本当はもっと大切にしなきゃいけない?

成瀬選手:電車のマナーモードとか、実はいい年した大人たちの方が平気で公共の場で携帯鳴らしていたり。無秩序というか、模範となるべき大人が模範足り得てない。

ガイド:危険分子を根本からなくす努力も必要ですね……。

※1 成瀬昌由が新日退団後初のイベント開催!
http://sports.livedoor.com/article/detail-3618162.html

※2 2006年5月、人気格闘家の桜井“マッハ”速人選手がつくば市の土木作業員に殴られ、顔面を骨折。警察は犯人の酒寄健一容疑者を逮捕。事件後、桜井選手は「自分は道場で子供たちにも教えている立場。格闘家が素人を殴るわけにはいかない。よけたりしても相手を逆上させるだけ。あえて殴られるしかなかった」と話した。


>>次のページは前田日明直伝の護身法を紹介!>>
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