文章:川頭 広卓(All About「プロレス」旧ガイド)
「プロレス」という枠からの脱却。新たなるジャンルへ
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| 高田総統の化身、ザ・エスペランサーまで降臨した『ハッスル・エイド2006』(クリックすると拡大されます) |
フジテレビの『PRIDE』&『ハッスル』放送撤退という衝撃的な事件から2週間。2006年6月17日(土)、さいたまスーパーアリーナでは『ハッスル・エイド2006』が開催された。
オープニングから、くりぃむしちゅーの有田哲平が高田総統の格好をして場内を沸かせたかと思えば、タレント・カイヤのプロレスデビュー戦、チーム3Dによるハードコアマッチや、休憩時間には和泉元彌が登場。他にもハッスルのエースHGの大活躍や、ニューリン様のマスク剥ぎ、挙句の果てには高田総統の化身、ザ・エスペランサーまで降臨。『ハッスル・エイド2006』は、大なり小なり様々なサプライズを伴い、笑いあり、興奮あり、驚きありのまさに「ファイティングオペラ」の集大成となった。
そもそも「ファイティングオペラ」という呼び名もこれまでは、『ハッスル』をイメージしたイベントのサブタイトルでしかないという印象を脱しきれずにいた。しかし、この日を境に『ハッスル』はプロレスとは異なるファイティングオペラという確固たるジャンルを確立。新たな歩みを始めたように思える。
そのような状況で最もインパクトを残したのは、いわずもがな「ザ・エスペランサー」であったことは間違いない。高田延彦のリング復帰には正直、度肝を抜かれた。まさかこの局面で高………、いや、エスペランサーが登場するとは誰一人として夢にも思わなかったからだ。
ハッスルシリーズ第1章の終わり
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| カイヤの参戦は『ハッスル・エイド2006』を盛り上げる役目を担った(クリックすると拡大されます) |
そもそも、エスペランサーの登場には「タマアゴのふ化」という伏線があった。アゴが出て「高田総統をもビビッてたじろがせる」と、小川が豪語した「タマアゴ」。これを利用し、『ハッスル・エイド2006』を散々煽ったにも関わらず、大会当日に小川がその中身を知らないということになっており、当初の予定(中身)は何らかの事情によって変更されたのではないかと、察することができた。
『ハッスル』の窮地が、そのストーリーに変更をもたらしたかどうかは分からないが、一連の『ハッスル』シリーズにおいて、高田総統のリング復帰というのはドラマでいうところの最終回にあたる。厳密には高田総統ではなく、“化身”ザ・エスペランサーということにはなるが、この状況下にいよいよ『ハッスル』が切り札をもってきたことに変わりはない。
このエスペランサーとは、文字通り『ハッスル』の希望であり、この『ハッスル・エイド2006』こそがハッスルシリーズ第1章の最終回と位置づけられたといえないだろうか。
前回の記事で書いたが、一連のフジテレビ・DSE撤退問題で深刻な影響を受けたのは、個人的には、むしろ『ハッスル』の方であったと考えている。一言でいうなら、それは『PRIDE』に比べて『ハッスル』が未完成であるが故。
では、『ハッスル・エイド2006』を区切りと仮定して、新章へ突入する『ハッスル』において、完成へと近づく核となる部分はなにか。