文章:井田 英登(All About「K-1・PRIDE・格闘技」旧ガイド)
【PART8】総論的疑問:なぜ格闘技界は“2003年的ゴタゴタ”から逃れられないのか?
矢作 ワジムって確かにちょっとヤバくて、オランダのバス・ブーンのトモダチだってだけでもただモンじゃないよな。そりゃカタギじゃないとは思う(笑)
井田 ちがうちがう、僕の聞いてるのは日本の人。
矢作 へ? 猪木さん?
井田 さらに惜しい(笑)。PRIDEコンプライアンス問題をぶちまけて、業界をがたがたにしちゃった張本人。
INOKI BOM BA YE2003のプロデューサー、川又誠矢氏ですよ。
矢作 げっ、その名前がまた出て来るとは
井田 あの人、裁判終わってからは、海外に出ちゃってINOKI BOM BA YE関連の未払い金とかもまだ滞ってるっていう噂ですが、実はむこうでそのM-1の出資者周辺から直に協力要請受けたっつー話がありましてね。
矢作 川又氏かぁ…。高須くんの雑誌とかに過去話で顔出したりしてるのは見てるけど。あの騒動の後でしょ。もうさすがに懲りて格闘技業界には関係しないと思ってたんだがねえ。
井田 僕も彼がどういう立ち位置でM-1に対して関わってて、具体的にどんな力をもってるかは知りませんよ。単にアドバイスする程度かもしれないし、オーナーによろしくと言われたからって引き受けたとも限らない。ただ、接触してるとは聞いてる。そうでなくても彼は既に海外で格闘技関連にも色々コネクトしてるはずなんです。アメリカでも、UFCに出てるブランドン・ベラって選手をマネージメントしてるFCマネージメントだったかな、そこにに出資してるかなんかで。で、良—く考えてみると、ワジムにしてもモンテにしても、言ってみれば2003年のINOKI BOM BA YEの人脈でもあるわけですよ。そもそもヒョードルが真ん中にドンと居てる訳だし。60億分の1の男の魔力が、また周辺に色んな人の思惑を吸い寄せてるって構図なのは間違えない。ヒョードルの登場が無かったら、多分大晦日のさいたまは、ハッスルだけで終わってたんですから。
矢作 じゃ、何? さいたまは男祭りと猪木祭りの合体って構図?(笑)。まあ大会の発表自体遅かったのも似てりゃあ、カードが出るのも直前でバタバタしてるのも、あっちがくっついた、こっちが別れたと周辺が妙に殺気立ってるのも、思えば2003年の暮れとよく似てるよなあ…。
井田 実際、2003年の状況が再来してると見てもおかしくないっすね。いろんな敗者復活戦を目論んでる人が、沢山沢山居るということで。ファンの気持ちなんか二の次三の次、下手したら視野の外なんじゃないすかね。毎年毎年、年の暮れになると業界は祭りだ祭りだって浮かれてるけど、ファンの気持ちを浮き立たせてくれない祭りなんか、何のためにやるんだろと。もう五六年になるでしょ。熱は下がる一方じゃないですか。大晦日。浮かれてるのは神輿の上だけって事だったら、意味ないじゃんと思いますねえ。
矢作 ましてその祭りの象徴がヒョードルとホンマンじゃあ、確かに締まらねえなあ(笑)。まあ、2003年だって、永田兄とヒョードルだったんだから、それがいいとこか。
井田 K-1も手を貸す訳だから、これで吉田が参戦すれば、ある意味2002年の国立競技場まで時計の針が巻き戻された感じもしますけどね。
矢作 どっちでもいいや(笑)。要はカードがちゃんと意義があって、ファンが喜ぶか、それに尽きるさ。変な政治とか縄ばり争いとか、いろいろご苦労なこったけど、オレには正直なーんも関係ないね。ってか全然心に響かないわ。金儲けもいいんだよ、ちゃんとバリューあることを、偽装しないでちゃんと産直で消費者にあるべき形で届けてくれるなら、その運び手がヤクザだろうが、郵便局だろうが、宅配屋さんだろうが、ギンガネットだろうがなんでもいいんだよ。リングの上に口を出さずにいてくれるならね。