K-1・PRIDE・格闘技関連情報

更新日:2007年10月04日

ニッカン「PRIDE消滅」記事の波紋(4)

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ついに一般スポーツ新聞までが「PRIDE消滅」を語りだした。ニッカン紙上に掲載された問題の記事を軸に、10月改編でも復活が無かったPRIDEの現状と周辺事情を検証。

文章:井田 英登(All About「K-1・PRIDE・格闘技」旧ガイド)

【PART4】UFCはなぜPRIDE買収に踏み切ったのか?


がこの半年間のPRIDE買収の経緯振り返ってみると、どうしてもわからないことーーいや、むしろ、沸々と生じて来る疑問がある。

UFC(正確にはオーナーのロレンツォ)は本当に最初から、PRIDEを「棚の肥やし」にしてしまうつもりで、買収したのだろうか?

この件に関して、ずっとペシミズム先行で語ってきた立場の僕でさえも、やはりそうとは断定することができないのだ。

あくまで、“PRIDE消滅”は結果にすぎず、UFCも当初は日本市場でPRIDEを活用して行く意図があったーーそう考える方が平仄が合うように思う。この件はライバルを闇雲に叩き潰せば良いという、力任せの敵対買収ではなかったのではないか、と。

そもそも、UFC側が、PRIDE再開を意図していなかったのなら、昨年三月の譲渡パフォーマンスもまったく必要の無いこけ脅しであったことになる。本当に“たたき潰す“だけのつもりなら、あんなパフォーマンスは無用だ。その後見られたように、PRIDE系の契約選手をUFCに吸収してしまうのが本当の目的であったなら、日本市場を刺激するようなパフォーマンスをやる必要はまったくなかったのだから。

あの段階で、“DSE最終興行”のPRIDE34開催を控え、その前景気を煽りたい榊原社長の希望が大きかったのは理解できる。しかし、あくまでUFC側は「買う側」である。多額の負債を抱え「買ってもらう」立場であったDSEがそこまで強気に流れをコントロールできるとも思えない。

まして、態々ファティータ会長が来日し、セレモニーのみならず、各マスコミのインタビューにまで応じたいうことは、やはり日本市場でのビジネスを企図し、“その後”の展開を見据えて、日本市場でのビジネス展開を真剣に検討していたと考えるのが妥当だろう。

ただ、これはもう何回も書いてきた事だが、PRIDEの“巨大投下型”ビジネスは莫大な資本——例えばテレビ放映権料のような原資が無い限り、絶対成立しないものでもある。毎回毎回が一発勝負の博打になってしまうようなこのビジネス構造は、DSE初期の森下社長時代から——いや最初に東京ドームに“一億円男”ヒクソン起用という派手派手しい設定で出発した「PRIDE-1」の段階から、構造的に抱え込んだ脆弱ポイントでもある。

逆に、その車輪となる資金面をフジテレビが支えるようになってからのPRIDEの経営は、そのスケール感を武器に転化できるようになり、順風満帆となった。

まるで夜中のトーチライトに虫たちが魅き寄せられるように、巨大ギャラで集められたスーパースターの競演に、スポンサードする一流企業も増え、一気にPRIDEというブランドはゴールドラッシュを迎える。地上波テレビ放映の後ろ盾を得て、世間の注目の的となった非日常の舞台に、選手もファンも酔った。このまま永遠に、移動式カーニバルが続くのではないかという幻想を、テレビの巨大資本が支え、またその回転が巨大な利益を生む。まさに奇跡のコラボレーションが成立した時代であった。

だが、その構造も昨年6月に週刊現代にコンプライアンス問題を指弾された段階で弾けとんだ。基盤となるテレビ放映を失った段階で、PRIDEの“死”は不可避のものだったはずなのである。

(執筆者:井田 英登)

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