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K-1 Maxにまで飛び火したボクシング対抗戦 「魔裟斗ついにボクサー戦へ」

ボタ、タイソンに続いて「K-1vsボクシング」の構図は、ついにMaxに飛び火することになった。受けて立つ魔裟斗は本当に天才ひしめくこの階級で、世界の檜舞台で栄光をつかむことが出来るのだろうか。

執筆者:井田 英登

イク・タイソンの参戦宣言に端を発した「K-1vsボクシング」の構図は、ついにMaxに飛び火することになった。

来月18日(火) 日本武道館で開催予定の「K-1 WORLD MAX 2003 世界王者対抗戦」で、メインを務める魔裟斗の対戦相手が、米国のプロボクシング元IBFジュニアウェルター級王者ビンス・フィリップスに決定したのだ。

フィリップスはボクシング戦績53戦44勝(32KO)8敗1分の40歳。現在ボクシングの3大メジャーWBC、WBA、IBFの統一スーパーライト級王者であるコンスタンチン・チュー(ロシア)に、97年5月TKO勝ちでIBF王座を獲得。それまでデビュー以来の破竹の18連勝中(1負傷ドロー除く)だった天才児チュー戦に唯一黒星をつけた男として名高い。チューといえば、あのフリオ・セサール・チャべスを破った超実力者であり、この一敗を除けば一つの黒星もないトップ中のトップだけに、戦績としては申し分ない。ただ、懸念されるのは、40歳というフィリップスの年齢に尽きる。事実IBF王座を3度防衛した全盛期は90年代後半であり、30代後半にさしかかった99年以降NABF、NABOなど北米タイトル戦線に移したものの戦績は5勝5敗1分と振るわない。去年11月にはイギリスでWBUのSライト王座に挑戦したもののリッキー・ハットンに判定で破れ、現在二連敗中。World GPに登場したボタ同様、既に世界トップ戦線を外れたロートル選手であることは否めない。

人的な感慨を言わせて貰うなら、この展開はまだ甘い。

K-1Maxが対称とする70キロ級といえば、90年代後半あたり五階級制覇を成し遂げた“ゴールデンボーイ”オスカー・デ・ラ・ホーヤを軸に、何人天才が居たのだといわれるような、ボクシング界がヴィンテージイヤーズを謳歌した世界でもある。フリオ・セサール・チャべス(第13代WBC世界Jライト級王者、WBA世界ライト級王者、第14代WBC世界ライト級王者、第17代WBC世界J・ウェルター級王者、第7代IBF世界J・ウェルター級王者、第19代WBC世界J・ウェルター級王者)も居れば、フェリックス・トリニダード(第5代IBF世界ウェルター級王者、第18代WBC世界ウェルター級王者、第33代WBA世界S・ウェルター級王者、第14代IBF世界S・ウェルター級王者、WBA世界S・ウェルター級ユニファイド王者、WBA世界ミドル級王者)や、バーノン・フォレスト(第6代IBF世界ウェルター級王者第21代WBC世界ウェルター級王者)もいる。つい二ヶ月前の9月13日にデ・ラ・ホーヤに二度目の黒星をつけた宿敵ショーン・モズリイ(第12代IBF世界ライト級王者、第20代WBC世界ウェルター級王者)も忘れてはなるまい。WOWOWのエキサイトマッチを見続けているボクシングファンなら、おなじみの綺羅星ばかりである。魔裟斗が、そしてK-1Maxがこの階級のボクサー達と闘うというのは、武道館のワンマッチ程度のスケールの話であってはならはないということなのである。
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