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野茂英雄、引退。「悔い残る」に微かな希望

野茂英雄投手が現役を引退した。今後はわからない。ただし、サプライズでありながらひょっとしてと思えるものがひとつだけある。それは「現役復帰」だ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

今でも「NOMO」が最も知名度高し

野茂英雄
メジャーに移籍して13年、その実力で新境地を切り開いていった野茂英雄。彼がアメリカでいまだ評価が高いのにはワケがある
野茂英雄投手が現役を引退した。このニュースについては、嫌というほど報道されているので、多くを語る必要はないと思うが、私なりの野茂に対する思いをここで触れてみたい。

私が93年に渡米した際、ただメジャーリーガーの生のプレーを見たい、感じたいだけだった気がする。その中にまさか日本人が加わるとは、夢にも思わなかった。それが95年、野茂がドジャースのユニホームを着て一変。関を切ったように日本人メジャーリーガーが誕生していった。今年は史上最多である16人もの日本人がメジャー契約を交わしたが、アメリカでは今でも「NOMO」が最も知名度が高い。松井秀でも、イチローでも、松坂でもない。No1は「HIDEO NOMO」なのだ。

その理由の第1は、以前、この「野茂英雄」という男の価値で書いた通り、日本での高額年俸を捨て、あえて危険を冒してマイナーから挑戦し、メジャーリーガーになったからだ。2番手、3番手は意味を成さない。1番手にそれをやった勇気。いわばパイオニア精神を野茂は持っていることへの評価なのである。

ただそれだけではない。全米中にトルネード旋風を巻き起こして新人王を獲得、史上4人目となる両リーグでのノーヒットノーランの達成などプロとしての結果を残していることも、知名度の高さに結びついている。
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