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【高校野球】低反発球で甲子園が変わった!

常葉菊川の優勝で幕を閉じた、2007年春の第79回センバツ高校野球。今回大会から「低反発球」、いわゆる「飛ばないボール」が導入されたことで、高校野球の内容が変化した。

執筆者:コモエスタ 坂本


常葉菊川の優勝で幕を閉じた、2007年春の第79回センバツ高校野球。今回大会から「低反発球」、いわゆる「飛ばないボール」が導入されたことで、高校野球の内容が変化した。

得点の減少、接戦の増加


今年のセンバツは近年の大会に比較すると、ロースコアでの接戦が多かった印象がある。1回戦16試合は特にそれが顕著で、半数の8試合が1点差ゲーム、4試合が2点差であり、そして2ケタ得点を記録した試合は0だった。

大会全期間を通して見ても、2006年と比較すれば「飛ばないボール」の威力は明らかだった。飛距離が落ちることによってホームランや得点が減り、競り合いが増えたことが一目瞭然なのだ。以下が比較データである。


1試合平均得点 8.53点→7.55点
ホームラン 14本→10本
2ケタ得点 7試合→4試合
2点差以内 13試合→18試合


もう極端な試合にはならない


「飛ばないボール」の効果は、実際に試合を見た目でも明らかである。ただでさえ木製バットよりも飛距離の出やすい金属バットを使用する高校野球において、これまではちょっとこすったようなフライボールでもスタンドインするという光景はよく目にした。

しかし、低反発球は明らかに飛距離が落ちた。今までならホームランになったと思われる打球がフェンス手前で失速し、外野フライになったりフェンス直撃になったりすることが多いように見えたのだ。それでも今大会ナンバーワンスラッガーである、中田(大阪桐蔭)の放った2打席連続ホームランのように、パワーヒッターが確実に捉えた打球はスタンドに吸い込まれて行く。

新しく採用されたボールは決してホームランの魅力を損なうことなく、しかし単なる外野フライがホームランになることもなく、センバツの試合を健全化したと言えるだろう。2006年の第78回センバツ決勝戦のスコアは、なんと21-0だったが、もうこんな極端な試合は今後おそらくないと思えるのだ。

また強く感じるのは、低反発球の採用に伴ってプレーやチームそのもの、野球そのものが変化したということだ。それを以降で詳述していこう。


【低反発球が変えたゲーム】→
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