GKだけではない『ジャブラニ』への戸惑い
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| 大会に大きな影響を及ぼしているジャブラニ。各国のGKを大いに悩ませている |
本当なら脇役であるはずの存在が、大会の行方に強い影響を及ぼしている。公式使用球の『ジャブラニ』だ。
オランダ戦でスナイデルに決勝ゴールを許したGK川島永嗣は、「30センチ手前までボールが見えていたけれど、消えたというか、見えなくなってしまった」と話した。本当に消えるわけはもちろんないのだが、そう言わざるを得ないほどボールの軌道が不規則だったということなのだろう。
4年前のドイツ大会では無回転のブレ球が流行した。グループリーグでブラジルのジュニーニョ・ペルナンブカーノに無回転シュートを決められたGK川口能活は、悔しがることができなかったという。練習を積みかさねることで高まるシュートブロックの技術が、ブレ球には通用しないからだった。「どうしてこういうことになってしまうんだ」というやり切れなさは、失点を喫した悔しさを上回るものだったという。『チームガイスト』と呼ばれたドイツ大会の公式使用球は、各国のGKを大いに悩ませた。
ジャブラニはGKだけでなく、フィールドプレーヤーをも悩ませている。23日までに全日程の3分の2近いゲームが消化されたが、直接FKによるゴールはきわめて少ない。キッカー側がジャブラニをコントロールできず、GKを幻惑するに至っていないからだ。
ディフェンスの局面では、しばしば混乱が生じている。イタリア対ニュージーランド戦がわかりやすい。ニュージーランドの先制点を振り返ると、サイドからのFKを攻撃側がヘディングシュートできず、守備側もクリアできなかったことがわかる。落下点を見誤っていたのだ。
ファーサイド寄りのカンナバーロからすれば、いつもなら誰かが触る軌道である。ボールが抜けてくるとは予測しにくい。不意打ちのように目の前へ現れたボールをクリアすることはできず、太ももに当たってこぼれたボールを押し込まれてしまったのだった。