文章:小野寺 俊明(All About「日本代表・Jリーグ」旧ガイド)
ドイツ事前合宿及び、2006FIFAワールドカップアジア地区最終予選(3月25日vs.イラン代表、3月30日vs.バーレーン代表)の日本代表メンバーが発表された。今回は海外組が多数参加。前回の北朝鮮戦に選出された中村、高原の2選手に加え、中田英、中田浩、稲本、小野選手が加わった。GKは川口選手が負傷のため曽ヶ端選手が召集。なお、三都主アレサンドロ選手(浦和)と田中誠選手(磐田)はイエローカードの累積でイラン戦は出場停止となるため、ドイツ合宿には参加せず、バーレーン戦からの合流となる。
●ジーコ監督コメント(取材・文/元川悦子)<2006 FIFAワールドカップ アジア最終予選日程>
3月25日(金)22:35 イラン代表vs.日本代表 @テヘラン
3月30日(水)19:30 日本代表vs.バーレーン代表 @埼玉スタジアム2002
※時間は日本時間
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日本代表メンバー
団長:釜本 邦茂
監督:ジーコ
テクニカルアドバイザー:エドゥー
フィジカルコーチ:里内 猛
GKコーチ:カンタレリ
GK
土肥 洋一 FC東京
楢崎 正剛 名古屋グランパスエイト
曽ヶ端準 鹿島アントラーズ
DF
三浦 淳宏 ヴィッセル神戸
茶野 隆行 ジュビロ磐田
宮本 恒靖 ガンバ大阪
松田 直樹 横浜F・マリノス
中澤 佑二 横浜F・マリノス
坪井 慶介 浦和レッズ
加地 亮 FC東京
MF
藤田 俊哉 ジュビロ磐田
福西 崇史 ジュビロ磐田
中田 英寿 フィオレンティーナ(イタリア)
中村 俊輔 レッジーナ(イタリア)
小笠原満男 鹿島アントラーズ
本山 雅志 鹿島アントラーズ
中田 浩二 マルセイユ(フランス)
稲本 潤一 カーディフ(イングランド)
小野 伸二 フェイエノールト(オランダ)
遠藤 保仁 ガンバ大阪
FW
鈴木 隆行 鹿島アントラーズ
高原 直泰 ハンブルガーSV(ドイツ)
玉田 圭司 柏レイソル
大黒 将志 ガンバ大阪
※バーレーン戦には、下記2選手が合流予定。
DF 田中 誠 ジュビロ磐田
DF 三都主アレサンドロ 浦和レッズ
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中田英寿が約1年ぶりに代表復帰
昨年4月のチェコ戦(プラハ)でグロインペイン(両足のつけ根痛)を訴え、その後日本代表を長期離脱していた中田英寿(フィオレンティーナ)がついにチームに戻ってくる。
日本サッカー協会は14日、2006年ドイツW杯アジア最終予選前半の正念場となるイラン戦(25日、テヘラン)・バーレーン戦(30日、埼玉)の日本代表メンバー26人を発表した。負傷で北朝鮮戦を棒に振った小野伸二(フェイエノールト)やコンディション不良で代表落ちしていた稲本潤一(カーディフ)らが復帰したこともニュースだが、やはり最大の注目点は中田英の約1年ぶりの復帰が決まったことだ。
ジーコジャパンが発足した2002年秋からキャプテンを務めていた彼は、この1年間、グロインペインに悩まされ続けた。皮肉なことに、彼が代表を離れている間、チームはアジアカップ(中国)2連覇を達成。序盤は大苦戦の連続だった1次予選も最終的に全勝で突破した。こうした戦いを繰り広げていく過程で、チームは中村俊輔(レッジーナ)、小野伸二(フェイエノールト)らを中心に完成度を高めていった。その一方で中田英は新天地・フィオレンティーナに移籍したが、コンディションはなかなか上がりきらず、結果も出せずじまい。フィオレンティーナでレギュラーすらつかめずにいる。こうした状況を受け、「もはや中田英は日本代表に必要ない」という世論まで高まっていた。
今となっては、確かに彼の存在は「両刃の剣」といわざるを得ない。このチームに中田英ほどハイレベルな国際経験と強靭なメンタリティを持った選手はいない。ミスをした仲間を平気で怒鳴りつけるという日本人離れした「意思の強さ」は、時に頼もしく映るが、状況によってはチームの「和」を乱すこともある。私もジーコジャパン発足当初から見ているが、残念なことに中田英不在のチームの方が、明るく和気あいあいとした雰囲気を持っている。再び彼が戻ってきたことで、日本代表はどんな空気に包まれるのだろうか。
中田英をどのポジションで使うかという問題も大きい。記者会見に出席したジーコ監督は「今回はシステムもメンバーも含めて、北朝鮮戦をベースにしたい」と言い切った。つまり、今回も3-5-2の布陣を基本にしたいと考えているのである。となると、中田英のポジションはどこか。仮にトップ下に入るとなれば、中村や北朝鮮戦でいい働きを見せた小笠原満男(鹿島)をベンチに追いやることになる。
中田英は今、フィオレンティーナでボランチを務めているので、そこでのプレーも考えられるが、日本代表には本職のボランチが山ほどいる。国内組の福西崇史(磐田)の状態は悪くないし、負傷で北朝鮮戦を欠場した小野も13日のオランダリーグ・ローダ戦でゴールを挙げるなど、確実に調子を取り戻しつつある。イングランド2部で実戦を重ねている稲本潤一(カーディフ)も絶好調という。そしてフランスリーグデビューを果たした中田浩二(マルセイユ)もこれまで以上の高いモチベーションを持ってチームに戻ってくるだろう。そんな彼らとは対照的に、中田英はこのところセリエAの試合から遠ざかっている。彼のコンディションがどのくらいなのかは、蓋を開けてみないと分からないのである。
日本代表は両アウトサイドがやや弱い。それだけに「中田英を右サイドで使うべき」という意見も一部にはある。しかし彼はパルマ時代、プランデッリ監督から右サイドされたのが原因でチームを出たことがある。この期に及んで、不本意なポジションを受け入れるとは思えない。
これほどチームに重大な影響を及ぼす選手を呼ぶのであれば、あらかじめ指揮官が本人のところに出向いて状態をチェックしておく必要があった。が、ジーコ監督は北朝鮮戦直後にブラジルへ帰国。2月末にいったん戻ったが、「誕生日を母国で過ごす」という理由でまたもやブラジルへ帰ってしまった。「今回は中田英にドイツ合宿初日の17日から合流してもらって、いろいろ話をしたい」と指揮官は前向きだったが、フィオレンティーナ側が納得しなければ彼は21日からしかチームに合流できない。「ドイツでゆっくり話す」というジーコの目論見も実現しない可能性さえあるのだ。このあたりは「準備不足」を指摘されても仕方ないだろう。
いずれにせよ、中田英という偉大なプレーヤーが戻ってきたら、日本代表には何らかの変化が訪れる。彼の招集は吉と出るか、凶と出るか。この大事な時期にチームはどんな方向に行くのか。今回のドイツ合宿、イラン戦、バーレーン戦という一連のシリーズは、ジーコジャパンの成否を大きく左右することになるかもしれない。それだけに今後の成り行きが注目されるところだ。
(取材・文/元川悦子)
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