2度目の同点劇
そこで大熊監督は切り札・辻尾真二(中央大)をピッチに送り出し、局面打開を図るがすぐ結果は出ない。この膠着状況を変えたのが高校生の本田だった。33分、彼の左足から放たれたロングパスが中央を走りこんだ苔口に通った。苔口はボールを頭でトラップして前線に抜け出し、2点目を挙げたのだ。百戦錬磨の大熊監督も派手なガッツポーズを見せるほどの劇的な得点だった。
その後、日本は何度かピンチを招いたが、小林らが粘りを見せ、何とか相手の猛攻を防いだ。終了のホイッスルが鳴り、日本の準決勝進出が決まった時、選手の何人がピッチに倒れこんだ。それほど消耗するゲームを乗り切って、ベスト4入りを勝ち取ったのである。
23日の相手は韓国かノルウェーだが、どちらになるかは19日のB組の試合結果を待たないと分からない。が、何はともあれ、この勝利によって日本は2試合多く国際経験を積むチャンスを得た。これが選手たちには大きな意味を持つのだ。
この結果になると、ドーハを離れるのがとにかく残念に思えてならない。けれども、1次リーグ3試合だけでも見えたことは多かった。最大の収穫は本田の起用にメドが立ったことだろう。本人も「ボールを持ってからはこのレベルでもやれることが分かった」と自信をのぞかせる。本田が入るだけで中盤が落ち着き、攻撃にリズムが出てきたのも事実だ。大熊監督も「ベラルーシ戦では本田が流れを変えた」と言い切った。8年前に中村俊輔(レッジーナ)がユース代表で急激に頭角を現したように、大いなる可能性を秘めた選手が出てきたことを前向きにとらえたい。
平山が復活の兆しを見せたことも明るい材料だ。2試合目までは体の重さばかりが目についた彼だが、ベラルーシ戦のゴールできっかけをつかんだ様子。「アルジェリアの20番みたいな身体能力の高い選手に勝てるようになりたい」と明確な目標を持ったのも大きい。この大会後にはジュビロ磐田の強化指定選手になることも有力だ。彼にはこの大会のような高いレベルの環境がつねに必要なのである。
兵藤の成長、吉弘のボランチとしての活躍、辻尾の台頭なども明るい材料だ。守備陣が4失点を喫するなど課題も多いが、チームは少しずつ前進している。それを実感できる1次リーグだった。この経験を6月のワールドユース(オランダ)に生かさなければならない。
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